26.働くのが楽しい ページ26
「あ、もうこんな時間」
リエが手首につけてた時計をみる。
ちょうど搭と搭の間をつなぐ橋の上。西日が眩しく感じる頃、リエとゼンは足を止めた。
「あーっ、歩き疲れた。リエは歩きすぎだろ、俺はまともに挨拶もできなかったわ」
「立ち止まるとゼンが話し込むからでしょー、いくつも部署があるんだから」
ゼンは柵に手をかけてその場に座り込み、リエは柵の間から細い脚を出すようにして座った。
「なーんか、それぞれの部署にもやる気っていうか職人魂みたいなのが感じられて。
ゼンの職場見学に私も同行してよかったかなって思ってる」
「……リエはこのオークション会場のことをどう思ってるかしらないけど、
俺はここで働く人たちの声で、嫌だってことを聞いたことはないよ」
「……え?」
「働くのが楽しいし、やりがいがあるって、ここで働く知り合いたちは皆言ってるよ。
できれば休暇もなくていいって。それはちょっと困るけどな」
「…………」
リエは絶句してしまったが、その後すぐにクスッと笑った。
「人事部がいい人を採用してるってこともあるんでしょうけど、
私たちが本当にやりたいことをやってるってことよね。それは……」
「トップのお前さんはこの会社は嫌かい?」
と聞かれても、答えるのに少し時間がかかる。
職務としては、書類に目を通すことが多いけれど、「おっ」と思う書類がくるとわくわくしたりする。
未来のことに思いをはせてわくわくすることも日常茶飯事だ。
もちろん、他所のくそじじいに何かしらひどいことをされて腹を立てることもあるけれど。
「悪くない、かな。オークションにどんなものを作ってくれるのとか、創造物をみるのがまず好きなんだと思う。
皆がわいわいして、頑張ったものをみるのは全く苦じゃないんだ。
工夫して作ってくれるし、それを支えてくれる力も勿論あって」
「……リエはこの会社の社長にむいてると思うよ。気が弱い人間じゃここの社長は務まらないと思うし。
それで? 俺のパンツをはかせる機械の広告はできた?」
「……あ」
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します!レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー! しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作成日時:2016年11月24日 22時