*+**baby*+** ページ4
彼を置いてそのまま学校へと向かい、教室に入った途端、さっそくクラスメイトに囲まれた。
「告白されたのね?」
「あれ、松和(しょうわ)高校の川島くんよ」
「うらやましい〜!」
松和は毎年東大合格率トップ3を争うような超名門男子校だから、マリアンヌの乙女たちの食いつきも違う。
「――」
無言で首を振ると、
「またA振ったのね!?!?」
「もったいなぁーい!」
そう言いながら、本当は、私のことをお高く留まっているとも思っていることも、わかっている。
そうやってひとしきり騒いだ後
「ちょっと、ほら、あれでしょ。A、カワイソーでしょ。それどころじゃないのよ」
お互いに目配せしながら、悲しげな顔をした。
ほらね。
いつだって私を中心にして、私を置いてけぼりにするクラスメイト。
そう。私は彼女からしたら「不幸」だ。
母も小さいころに亡くなってしまっているし。
小さなシューズメーカー「リリー」の社長だったパパが死んでいよいよ孤独になったから。
親戚たちは寄ってたかってパパの遺産を荒らしまわり、そしてさしたる収穫がないと知ると
「Aちゃんはもう18歳なんだし。あとあと半年もすれば高校を卒業出来るんだから、大丈夫よね」
と、蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。
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RONI?(プロフ) - 更新がんばります!よろしくおねがいします!藤ヶ谷君は、もう少しで出すつもりです! (2014年1月10日 21時) (レス) id: 918bf36c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RONI | 作成日時:2014年1月10日 20時