*+**baby*+** ページ3
「ごめんなさい。今は無理なの……考えられない……」
そしてパパが世界一だと褒めてくれた栗色の巻き毛を揺らしながら、彼に背中を向け数歩歩き。
一瞬立ち止まり、肩越しに振り返った。
「だけど……ありがとう」
そしてにっこりと微笑む。
「高梨さん・・・」
常套(じょうとう)文句で振られたにも関わらず彼は気を悪くした様子もない。
パパが言ってた。
男は繊細な生き物だから、むやみやたらに傷つけてはいけないって。
だから私はこうしてるの。
私の心の中の理想に従って。
バカにしてる?
そうかもね。
だけど、だからなんだっていうの?
結局彼の目には彼の理想の『高梨A(たかなしあんじゅ)』しか映っていないんだから、これでいいじゃない。
今年の薔薇乙女(ばらおとめ)
それは私が通う関東一のお嬢様学校、聖マリアンヌ学園の最高の名誉。
その栄誉を受けるのは私に違いないっていう程度の自信も持ち合わせている私――
小さな顔。長い手足。
身長165センチ、無駄な脂肪はひとかけらもない、抜群のスタイル。
黒目がちの大きな瞳に、通った鼻筋。ピンクの唇。
腰に届くほどの栗色の巻き毛は天然。
歩く西洋人形。
これが世間が見る「私」だから。
私はそれを演じるだけ。
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RONI?(プロフ) - 更新がんばります!よろしくおねがいします!藤ヶ谷君は、もう少しで出すつもりです! (2014年1月10日 21時) (レス) id: 918bf36c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RONI | 作成日時:2014年1月10日 20時