【歌い手】＿きみのいろ＿#4【ROC】

151話 ページ23

テスト終わりの部活だから、今日は誰も問題集を開いたり宿題してたりなんてことはなかった。

ん?あたし?あたしはね、


Ｅ「ちゃんくらーれをるー!!スマブラしよ」
ｋ「んお、やるか」
れ「村人っあたし村人がいいっ」

スチャッとお互いのリュックから3DSを出して、あぐらをかいた。

後ろで「いいな〜僕も持って来ればよかった」とゆりんくんの声がしてから
A先輩の「今度私も買おうかなぁ」なんて声もした。

(いけ!!ゆりんくん食いつけ!!)

じゃあ今度僕とやろ、とか言えばあの人ガード甘いからちゃっかりノってくるよ
そんでゆりんくん家行って押し倒してそのままぶっちゅーとかしちゃえばたぶん――…


れ「アアアアアアアアアアア死んだッ」
Ｅ「へっへーいいぞメタナイト」

復活するのを待ってもう１度村人を動かす。
しつこくメタナイトを追いかけまわしながら後ろの会話に聞き耳をたてた。


声が聞こえるように、ゲーム機の音量を下げる


ゆ「いいじゃんAもやろ?」
『うん買うわ』

お、いいじゃんいいじゃん

夏「えっ僕も買おうかな」


れ「なんで入ってくんだよ!!!!」

ｋ「えっだって村人が場外に蹴っ飛ばしたんじゃん」
れ「違うよくーらーが復活してるのの話じゃないよ!!」
ｋ「なんでそんな怒ってんのー…」

(なんで夏代が入ってくるんだ、くっそ)

だってどうみてもA先輩が好きとかじゃないじゃん
関係ないじゃん?…て、思ってから

――あたしの右隣


Ｅ「うわぁ〜ゼルダ強ぇ」


10分くらい前に１度ぷつりと倒れて元に戻ったくすんだ金髪を見た
そうだこいつだ、夏代はいぶサイドなんだった。よっしゃメタナイト場外。



どうしたらいいのかなぁ

いぶを抑えた方がいいのか、夏代を抑えた方がいいのか
あるいはもう直接ゆりんくんとA先輩をくっつけにいった方がいいのか

“協力する”なんて決めたものの
恋愛なんてしたことも、触れたことも感じたこともないのに、どうやって芽生えさせるかとか

わかるわけ

と、そこまで考えてから
自分の思考が止まって、頭に浮かんだのは


ｋ「いえーい俺優勝!!」
Ｅ「僕２位だし〜」


―――えらいねれをる


笑うあいすちゃんの顔。
まだほんの昨日のことなのに、もうだいぶ感覚は遠のいちゃってて思い出せない

ダメだなぁ
どうしてこんなに会いたいんだろう?どうしてこんなに欲張りなんだろう?

“恋愛なんか知らない”とか言うけれど


指先くらいは、触れられているのかもしれない。

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