443話 ページ35
赤信号で立ち止まり、傘に少し積もった雪を振り落す。
――夏合宿の時と同じでいいわよね!!と言ったのは花さんだった。
もちろん私はそれでよかったし、他の人もだいたいはOKという感じになって
唯一「えぇー…」って渋ったのがれをるちゃん。
そういえば合宿の時、微妙に大変そうだった気もした。
ともあれ、同じ3人ずつに分かれた上で
買い出しに行きたいといの1番に手を上げたのが、他でもない、私だ。
お家にいるとピアノが目に入るから
だから、できれば外に行きたかった
もう2人にはだいぶぶつくさ言われているけど。
ゆ「寒いよう…死んじゃうよう……」
E「凍えちゃうよう…もういっそ眠くなってきたよう…」
『ほーら、信号青だから、死なないから!!』
ジュースを3本ほど抱えたゆりんくんが、なんでよりによって1番ない選択肢を、と言い。
お菓子がぱんぱんに詰まった袋を持ついぶくんが、帰りたい、とぼやく。
無論どうしてってしつこく聞かれたけど
せっかく雪降ってるから歩いてみたいじゃん、とか適当言って誤魔化した。
そういえば、いぶくんにはピアノを弾いてるのを聴かれてしまったことがあったなぁ
『さ、あとはケーキ買って帰るだけですよ〜』
力ない声が後ろから「「おぉ〜…」」と続く。
*****
けけさんの家に戻ると、午後4時をちょうどまわるところ。
中に入るとすぐにちゃんくらが来て
「おかえりなさい、寒かったでしょう」とジュースやお菓子を受け取ってくれる。
k「ちょうどひと段落してお茶飲むところだったんです」
コートに付いた雪をぱさぱさ落としていたA先輩が
顔をあげて、うれしい、寒かったから、って笑う。
笑ってこっちを向いたから、僕も自然に笑みがこぼれた。
ふと、リビングの方から聴こえた、つたないピアノのジングルベル
…それから、少しこわばった先輩の笑顔。
ちゃんくらとゆりんくんはもう、リビングの方へ歩いて行ってしまっている。
僕は恐る恐る「先輩?」と声をかけた。
『あ、はい』
E「大丈夫?です?」
『大丈夫、ぼんやりしただけ』
そう言い、靴を脱いで揃えると、先輩もまたリビングの方へ向かって行った。
れ「Aちゃんジングルベル弾ける?」
『うーん…』
部屋に入って、2メートルよりやや大きいくらいのクリスマスツリーを前に
冷えた体を温めるべく、紅茶にミルクをどばどばいれて飲む。
(たぶん、人前で弾くの好きじゃないんだろうな)
夏合宿のときのことを思いだした。
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モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - アゲハさん» コメントありがとうございます、いつもうれしいです!まさかそこ好きって言われると思ってなくて動揺しました(^-^) (2017年8月10日 13時) (レス) id: 1b9f958ee6 (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ(プロフ) - #10、お疲れ様でした!毎度思いますがあとがきすっごくすきです…!!これからもお話楽しみにしてますね〜(*^^*) (2017年8月10日 3時) (レス) id: 375e43bb38 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - りゆみさん» コメントありがとうございます、長らくお読みいただいて嬉し恥ずかしです!!(*´-`)ここのとこ暗い雰囲気続いてますが楽しんでいただけたら幸いです~◎ (2017年8月1日 16時) (レス) id: f70edfb1d2 (このIDを非表示/違反報告)
りゆみ(プロフ) - 初期の頃からずっと見てます!もう、本当に面白くて占ツク作品の中で一番好きです!!そして最近の夢主ちゃんとその周囲(特に3年組)の絡みが物凄く楽しくていつも応援してます!!!これからも頑張ってください♪ (2017年7月31日 1時) (レス) id: 9710d00091 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - キットカット(紅芋味)さん» コメントありがとうございます!!はいもう…気がついたらこんなに時が経っておりました…(笑)もう少しお付き合いください(^-^) (2017年6月21日 6時) (レス) id: f70edfb1d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モノクロメロディ―。@ついった | 作成日時:2017年6月20日 20時