【歌い手】＿きみのいろ＿#10【ROC】

441話 ページ33

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『おいしかったー!!』


ぐーっとのびをする。
白い息がふわふわ、漂っていった。

こんな日だからかお店は比較的空いていて
かつ、ゆりんくんが中学生の頃からよく行っていて店長さんと顔なじみだったのもあり

結局５人と４人に別れ、テーブルを２つ占領させてもらった上、男子の何人かは大盛りサービスまで受けた。
３人ずつくらいになると思っていたのに、あんなに賑やかにラーメン食べることになるとは。

暖房の効いた店内であつあつラーメンをいただいて、ちょっと汗ばんでいます。


Ｓ「で?これからどう動くわけ」

れをるちゃんといぶくんを両脇に抱き寄せたまま言う。

Ｋ「食べ物は出前で揃えちゃおうと思ってるんだ。
　飲み物とかケーキとかだけ外に買いに行かなくちゃいけないのと」

途中で止めて、視線を花さんの方へ。

花「多少の飾りつけはしたいと思ってね。ほら、クリスマスといえばアレじゃない?」

Ｅ「サンタさん?」
花「もう１つ!!」
『トナカイ?』

違うちがーうっ、と言い、両の手を握ってぶんぶん振る。
クリスマスと言えば。サンタさんとトナカイ、じゃなくて、えっと

(そういや飾りつけって、…あっ)


「「「クリスマスツリー!!」」」


正解のかわりに、花さんの素敵な素敵なにっこり笑顔。

けけさんが、うちにあるやつをずーっと出してなかったからね、と付け足す。
さっきの人生ゲームといい、なんだか神無家は探せばいくらでもものが出てきそうだなぁ

隣を歩いていたゆりんくんにつつかれる。

『ん?』
ゆ「クリスマスソングとかって弾けるの?」
『うーん…まぁ一応』
ゆ「うわ、すっげぇ弾きたくなさそう」

片頬だけあげて皮肉っぽく笑いながら言う。

(そりゃまあ一通りはやりましたとも)

赤鼻のトナカイ、ジングルベル、ママがサンタにキスした、みたいなのとか
戦場のメリークリスマスとか。

そうしてたまに、親戚の集まりとか習っていたピアノ教室とかで「みんなで歌いましょう」って言って弾かされるのだ。

あんまりいい思い出はない。

覚えているのは、小さい子の、めちゃくちゃに歌う音程と
ガシャガシャ鳴ってる鈴やマラカスやタンバリンの音。

…もしかして、

(あれも伴奏のうちに入るのか)



Ｋ「ま、３人ずつに分かれて、買い出し班とツリー含めた飾りつけ班と、
　あと食器用意したりする班があればいいんじゃないかな」

けけさんが言うのに
気づいて、しまったあんまり聞いてなかった、と思うころには、お家に戻っていた。

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