427話 ページ19
冬休みまで3週間を切ろうかっていう、金曜日。
期末テストまではつまりあと、1週間と少ししかない。
夏「早く大学生になりたい…」
2時間目と3時間目の間でお弁当を半分食べて、
お昼になったから残りを食べ、その上「足りないから」って購買で買った焼きそばパンをたいらげ
お腹いっぱいになり眠そうな孝明くんが、突然言った。
松「なにさ急に」
夏「だってさぁ、大学生になったら定期試験とか、朝早くから授業とかないんだよ?」
私は、1番最後の楽しみに取っておいた唐揚げを頬張り、ごちそうさま。
りょーくんがスープの入っていたポットのお弁当の
フタを締めながら鼻で笑う。「お前バカじゃん?」
り「大学になっても定期試験あるし」
夏「うそぉ!?」
松「私いとこの姉ちゃんに聞いたけどさ、年に2回かそこらしかないから
テスト範囲めちゃめちゃ多くて大変なんだって。高校生なんて‘へ’でもないってさー」
り「お前大学生の兄貴いんのになんで知らねぇの」
ふと名前を呼ばれ、顔をあげる。
ドアの近くでお昼を食べているクラスメイトが「いつも迎えに来る人ー」って言って顎でしゃくる。ゆりんくんのことだ。
夏「そういや時々試験勉強がどうとか言ってたわ…」
松「それじゃん?」
夏「んだよー!!てっきり医者の免許の方の試験のことだと思ってた」
(何の用事だろ)
たいていのことはLINEでやりとりするから
こんなふうに昼休みに来るのって、急な用事かな
“あなた進藤くんの何?”
(…違う、ちがうちがう)
立ち止まりぎゅっと目をつむる。ぶるぶる頭を横に振る。
こわくない、ゆりんくんが待ってるだけ、早く行かなきゃ
大丈夫。大丈夫。
ゆ「国語の教科書貸してほしいのですが」
勉強するのに持って帰って、そのまま置いてきちゃったんだって。
その場で待たせるのは寒いから、教室の中に連れて来た。
ロッカーを開け、小さくて分厚いのを渡す。
ゆ「さんきゅー」
『いーえー』
―――ぱたん
『…ゆりんくん?』
教科書を受け取った格好のまま、こっちを見ている。
なにやら言いたげだ。
ゆ「なんかさっき変な顔してなかった?」
『えっ!?』
ゆ「あ、いや違くて、変顔とかじゃなくて、なんていうか…
…不安そうっていうか、ほら、立ち止まって首振ったりしてさ」
『あ、あぁ』
(見られてたのか)
そりゃそうか。呼んだのは他でもない彼なんだから。
思い当たると、今度は急に恥ずかしくなってくる
それからちょっとだけ、ほっとした。
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モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - アゲハさん» コメントありがとうございます、いつもうれしいです!まさかそこ好きって言われると思ってなくて動揺しました(^-^) (2017年8月10日 13時) (レス) id: 1b9f958ee6 (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ(プロフ) - #10、お疲れ様でした!毎度思いますがあとがきすっごくすきです…!!これからもお話楽しみにしてますね〜(*^^*) (2017年8月10日 3時) (レス) id: 375e43bb38 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - りゆみさん» コメントありがとうございます、長らくお読みいただいて嬉し恥ずかしです!!(*´-`)ここのとこ暗い雰囲気続いてますが楽しんでいただけたら幸いです~◎ (2017年8月1日 16時) (レス) id: f70edfb1d2 (このIDを非表示/違反報告)
りゆみ(プロフ) - 初期の頃からずっと見てます!もう、本当に面白くて占ツク作品の中で一番好きです!!そして最近の夢主ちゃんとその周囲(特に3年組)の絡みが物凄く楽しくていつも応援してます!!!これからも頑張ってください♪ (2017年7月31日 1時) (レス) id: 9710d00091 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - キットカット(紅芋味)さん» コメントありがとうございます!!はいもう…気がついたらこんなに時が経っておりました…(笑)もう少しお付き合いください(^-^) (2017年6月21日 6時) (レス) id: f70edfb1d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モノクロメロディ―。@ついった | 作成日時:2017年6月20日 20時