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あの日から、1度も応募したことが無かった新人賞のところに応募してみたりすることが増えた。
最初は、兆しなんて見えなくてどうすれば目に止まるのかも分からない。
両親からは、簡単に賞なんて取れないとここ2ヶ月言われてきた。
最後の、チャンスにしよう___
ふと、思ったのは壱馬君に褒めてもらった作品だった。
本当は、自分だけの思い出にしたいなんて想いがあったけど最後と思って送ることにした。
___それは、言い訳だったかもしれない。
最後に、この作品を応募しようと思ったのは気づいて欲しかったからだ。
この新人賞のところでは、大賞を取れば書籍化されるチャンスが掴めると噂されていた。
もし、そうなれば壱馬君も気づいてくれるんじゃないか。
そう思った。
あの日に渡したのは書き途中の物語で、手直しする前の物だったから完成したのを読んでもらいたかった。
結果は、大賞。
担当の方が凄く優しい方で、もう今年の冬に書籍化させてもらう事になった。
レーベル創刊には間に合わなかったけど、多くの書店で販売して頂けるらしい。
少しずつ、諦めようとして諦めきれていなかった夢に近づいているのかもしれないと実感した。
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作者名：こま | 作成日時：2020年10月11日 15時
