31の段。 ページ32
薬草と塗り薬で応急処置を終えた七松は、とりあえず命に別状は無いという見解だそうだ。
とはいえ早く新野先生に診せないことには予断を許さない状況だ。
早急に忍術学園に帰らなければならないことに変わりない。
返り血で汚れた顔を川の水で洗い、深呼吸をしてから気合いを入れ直す。
まだ信頼し切れる訳じゃないが、利吉が現れてやっと希望が見えはじめたのだ。
こんなところでしょげている暇は無い。
利吉は手早く荷造りすると、七松の肩を担ぎ｢行くぞ。ここからまだ距離はある｣と川沿いにいるAに声をかけた。
乱れた髪を結い直し、もう一度顔を洗って喝を入れる。
三人分のまとめた荷物を持ち、二人は山を降り始めた。
・
｢君、名前は？そもそも忍術学園の関係者にしては初めてみる顔だが。｣
｢Aです。あー見習いとして最近雇っていただいたんです。｣
｢見習い……まだ正式に教師はしていないのか。｣
｢えぇまぁ。｣
｢はは、随分受け答えが冷たいな。そんなに私が信用ならないか。｣
｢…まぁ、信用できるかどうかと言われたら…ちょっと都合が良すぎるかなと。｣
｢……私は君を味方だと信用して言うが、…山田伝蔵という者が教員にいるだろう。私の父だ。｣
｢………えっ山、田…山田って………山田先生！？？｣
｢そんなに大きい声を出すな馬鹿。｣
唖然として彼の顔を見つめる。
最初に覚えた違和感はこれだったらしい。
言われてみれば、山田を限りなく若くてハンサムな顔にして想像してみると似てるような気もしてこなくもない。
｢…そんなに見なくてもいいだろう。｣と顔を背けながら悪態をついてくる利吉に、Aはふと思ったことを呟いた。
｢あっじゃあ…利吉さんも老けたらあぁなるんでっ…、｣
｢なる訳ないだろう！！！あれは特殊例だ！！！｣
｢声デカ。｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 146人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「忍たま」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - あまねさん» 嬉しいありがとう(^_-)-♡ (11月10日 2時) (
レス) id: 2818f71099 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - れなさん» わー！ありがとうございます！きまぐれ更新なので気長に付き合ってくれると嬉しいです！！高学年のと絡み！！！四年生とか絡みやすそう！！！！頑張ります！！！！ (11月10日 2時) (レス) id: 2818f71099 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すき (10月27日 14時) (レス) @page33 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、、お時間のある時更新お願いします！文才が天才すぎて、、もっと高学年との絡みとイチャイチャ沢山みたいです()完結までついていかせてください！ (10月21日 5時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - ふれあさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！続きをたくさん更新できるように頑張りますので、これからも読んでいただけると嬉しいです( ˊᵕˋ )♡ (5月15日 12時) (レス) id: 2818f71099 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：み ゅ ー ぽ む 。
| 作者ホームページ：なし
作成日時：2023年4月14日 3時
