四年生対五年生 の段:3 ページ7
〜次郎丸side〜
流星錘とは、忍たまを知っている読者に簡単に説明をすると
六年ろ組の中在家長次先輩の得意武器、縄鏢と同じ構造をしている暗器だ。
縄鏢は縄だが、流星錘は縄か鎖のどちらかだな。
ちなみに俺は鎖派。
最大の違いは、先端の武器。
縄鏢は鏢という苦無みたいな手裏剣のような刃物だが、流星錘は金属製の
使い方は縄鏢と大差ないが、遠心力で錘を振り回すので破壊力は桁違いだ。
まあ、俺の錘は軽めだから威力も普通より出ないけど。
と、説明をしたところで。
「
「ろ、六条次郎丸先輩……！」
滝夜叉丸、綾部、浜がこっちってことは、兵助の方に三郎丸と田村、タカ丸さんか。
「ご指名だよ、滝夜叉丸」
「よかったな」
綾部と浜がそう言うと滝夜叉丸は眉を潜めた。
「俺はお前が気に入ってんだ。七松先輩が委員長を務める体育委員会の実質補佐だからな」
「確かに私は優秀です。体育委員長補佐だってお手の物ですとも。………ですが」
！
避けた。何かが過ぎった。刃物だ。かすりもしなかったが。
それは、滝夜叉丸の人差し指に戻り、回っている。
戦輪だ。滝夜叉丸の得意武器だ。
「七松先輩ありきの評価は、ご遠慮願います。私は、私、ですので」
……………………本当に、なんとも、羨ましい―――――
「！」
流星錘の錘を滝夜叉丸に投げる。さすがに避けるか。
綾部と浜は………
「余所見、げんき〜ん」
「くらえぇ！」
「！」
背後！ しまった！ 毒針！
避けたが滝夜叉丸からも飛んで来るとは……！
足に二本……訓練用規定内の毒なら俺には効かないが、この痺れ…………まさか……！
「三郎丸の……！」
「はい。三郎丸がギリギリまで調節した、特製痺れ針でーす」
綾部……声はハツラツとしてるが無表情だぞ……。
「ちなみにそれ、六条先輩用です」
浜の説明でなるほど、となった。
つまり、俺用に特別強いのを……。
「…………ん？」
浜がなにかに気が付く。
……誰か来るな。
「竹谷八左ヱ門先輩か……？」
滝夜叉丸が呟く。
いや、八は来ない。八は三郎と同じく、雷蔵の護衛だ。
なら………
「待って！ 止まって話だけでも！」
「豆腐持ちながら何言ってんですか！？」
現れたのは。
豆腐を持ちながら、我が弟三郎丸を追い掛け回す同級生の久々知兵助だった。
なんで！？
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作者名：架空以内 | 作成日時：2024年3月17日 20時
