六条家 の段:3 ページ17
〜三郎丸side〜
兄さんの部屋に入ると、尾浜先輩と久々知先輩がいた。
どうやら保健室から二人に運ばれたらしい。
「八？ 三郎丸に四年い組の二人も。どうした？」
「聞きたいことがある。次郎丸。全部吐け」
兄さんの問いにそう答えた八左ヱ門先輩には、少し殺気が混じっていた。
空気がピリピリとする。
六年生まで来るんじゃないかと、少し心配になる。
「……勘ちゃん、浜と田村とタカ丸さんを呼んで来て。兵助は、雷蔵と三郎を。……三郎丸、バレたんだろ？ 俺から話す。お前は口を挟むなよ。いいな？」
「……はい」
四年生と五年生に話すのは、今後の学園生活のためだろう。
……滝夜叉丸と喜八郎と三木ヱ門の三人には、僕から話せば良かったかな……。
一年の頃から、なにかとつるんでいたし……。
滝夜叉丸には長期休暇の時お世話になってるし……。
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部屋に、ギッチギチになってる。
仕方ないけど。
「で、話す気になったのか」
鉢屋先輩がそう言うと、兄さんは眉間に皺を寄せた。
そうして、口を開く。
「……どこから話すか悩むが、まあ、家の話からするか。
……勘右衛門、八左ヱ門、三郎、兵助、雷蔵。
滝夜叉丸、綾部、田村、浜、タカ丸さん。
今から話すことは、内密に。絶対、口外しないと約束してくれ。それが条件だ。口外したら、俺は三郎丸を連れて学園から去った上で、お前らを皆殺しにする」
「兄さんっ……！」
「三郎丸」
「っ………」
口を挟むな。
そういう、ことなのだろう。
「まず、我が六条家だが――――――――」
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作者名：架空以内 | 作成日時：2024年3月17日 20時
