毒使いの兄妹は (ページ15)

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六条家の段ページ15

〜三郎丸side〜

食器を食堂に返し、洗い終わる。
夜も深くなり、流石にもう風呂に入る生徒はいないだろうと思い、風呂場へ向かう。

脱衣所で着物を脱ぎ、胸元へ目を向ける。
くノ一教室の子と大差ないくらいの大きさ。

「………はぁ」

思わずため息をつく。

我が六条家は、代々女性が継ぐ。
だが、僕は継げない。継ぐ気もないからいいけど。

後を継げない理由は、簡単な話で。
本来ならば、既に死んでもおかしくはない理由。
でも、生かされた。生きている。

頭のおかしい家で、生きている。
男として。三男として。

「？誰かいるの、か………」

ちょうど。湯船から上がった瞬間。
ガラガラと、戸が開いて。

「三郎丸………？って、おま、え……っっ〜〜〜〜〜〜！！！」

真っ赤になった顔と、声にならない叫びには、羞恥と怒りが混じっていた。
見られた。どうなる？どう……―――――――

「聞きたいことは色々あるけど！」

放心していたら布を体に巻かれた。
ハッ、として慌てて巻かれた布を体に抑える。

「まずは保健室だ！」

「まってください！違います！八左ヱ門先輩！」

僕の体を見て、先輩は怒ったのだろう。
女体とか、関係なくひどい体なのだから。

「次郎丸もそうだ……！六条家が毒を扱うのは知っている！そのための毒慣らしも！だが、限度があるだろ！？なんなんだ！？この針の跡と変色した腕や脚は！？」

腕や脚に、二十は超える針の跡。
赤紫にまだらに変色した肌。引き攣った肌。爛れた肌。

これらは、僕が六条家だから。

「裸を見たことは、謝る。だが、まずは保健室だ」

「大丈夫ですから……！」

「次郎丸も酷かったがここまでじゃなかったぞ！」

「先輩！！！」

思わず、つい、とても大きな声を出してしまった。
だからだろうか。
足音が――――――――

「三郎丸！？どうし――――！？」

「……………………おや、まぁ」

やって来たのは、滝夜叉丸と喜八郎だった。