毒使いの兄妹は (ページ13)

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少し羨ましいの段ページ13

〜三郎丸side〜

先生方に叱られ、補習のことを伝えられた先輩方はゲンナリとしていた。

しかし、それはそれ。
巨大な猪を学園まで運ぶと、食堂のおばちゃんは大喜びしてくれた。

そして、夕食。
辛味の強い味噌で煮込まれた猪肉の、美味いことなんの。
僕は兄程ではないけど、味噌が大好きだから。

ちなみに。
猪を仕留める毒くらいはある。常備している。
けど、使えない。
使ったら、肉が食べられなくなる。毒のせいで。

「腹減った〜……」

「間に合ってよかったね、乱太郎」

「うん。六条次郎丸先輩も、善法寺伊作先輩も元気だったし」

丁度僕が夕食を食べ終わり箸を置いた頃、一年は組のお騒がせ三人組みのきり丸、しんベヱ、乱太郎がやって来た。
一年生にしては少し、遅めの夕飯だ。

「あ、四年は組の六条三郎丸先輩」

「ん？」

乱太郎に呼ばれ、短い返事をするときり丸としんベヱが不思議そうな顔をした。

「次郎丸先輩のことなのですが」

「保健室に運ばれたのは知ってるよ。でも、さっきの口振りから伊作先輩となにかあったのか？」

「それが……」

・

乱太郎曰く。
伊作先輩が包帯等の備品を保健室へ運ぶ途中、空から兄さんが降ってきてぶつかり、二人仲良くその先にあった落とし穴に落ちたらしい。

最早、流石。としか言えない。

「伝えてくれてありがとう」

「いえいえ」

立ち上がり、食器を片付けて、食堂のおばちゃんに注文をする。
すると、食満先輩がやって来た。

「三郎丸……？ ……次郎丸の分か」

「はい。……伊作先輩の分ですか？」

「まあな」

乱太郎、きり丸、しんベヱも。
伊作先輩と食満先輩も。
いいなぁ……。

同室、少し憧れるなぁ……。