毒使いの兄妹は (ページ11)

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四年生対五年生の段:7 ページ11

〜NO side〜

田村三木ヱ門と斉藤タカ丸の二人は早々に移動し、隙を付いて不破雷蔵を捕らえる作戦に変更した。
というのも、六条次郎丸が合流したためである。
もし、居場所を特定され襲われでもしたら手も足も出ない。

綾部喜八郎は、斉藤タカ丸改め尾浜勘右衛門と攻防を繰り返していた。
天才トラパーは伊達ではない。
短時間の間に張られた罠に、流石の尾浜勘右衛門も後手に回っていた。

平滝夜叉丸、六条三郎丸、浜守一郎の三名は各々の得意武器を取り出し、構える。
不破雷蔵、鉢屋三郎、竹谷八左ヱ門もそれに応える。

そんな中、久々知兵助と六条次郎丸は豆腐か味噌かで争っていた。

「豆腐！」

「味噌！」

「あっちは無視するぞ！」

よっぽど六年生相手の補習が嫌らしい竹谷八左ヱ門。
ほぼ毎回、六年生の暴君の被害に合っている彼は必死である。

「………ねぇ、なんの音……？」

鉢屋三郎の袖を引っ張り、不破雷蔵は問う。
微かに地響きが鳴り響く。

「だから味噌こそがあああぁぁぁぁぁｧｧｧ！？！？」

六条次郎丸は吹っ飛ばされた。天高く、星のように。
吹っ飛ばしたのは、巨大な猪であった。

そして、この時。
ここに集っていた七名の忍たまは思い出した。
六条次郎丸は、不運であったと。

(((そういえば、保健委員だった――――！！)))

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巨大なこの猪を狩らねば訓練どころではない。
しかし、一番戦闘力のある人物が早々に退場してしまった。

「隠れている場合ではないな！」

「一時休戦だね！」

田村三木ヱ門と斉藤タカ丸の両名が姿を現す。
指令権は必然的に五年生に移る。

「綾部の罠とか使えそうか？」

「尾浜先輩相手にいくつか使ったとは思いますが……」

竹谷八左ヱ門にそう答え、六条三郎丸は鷹のハッカクを呼ぶ。
猪は前脚で地面を蹴り、突進の予備動作をする。

「よし！勘右衛門達の所へ誘導するぞ！」

久々知兵助の指示に全員頷く。
六条三郎丸はハッカクになにか持たせた。手紙だ。

先に綾部喜八郎と尾浜勘右衛門に巨大な猪のことを伝えるためである。

猪が突進してくる。
しかし、忍者のたまご達はいとも簡単に避け、走り始めた。

猪を、仕留めるために。