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真っ赤に燃える太陽が路地に反射しオレンジにキラキラ光っている。
気付いたら俺は、帰路に立っていた。
ライン引きで汚れた制服に、
型崩れしたカバンを背負い、
手には電源のついていないゲーム機を持つ。
...無意識とは恐ろしいものだ。
ふと隣を見てみると
潤くんがメモ帳とペンを片手にブツブツ何かを呟いている。
耳を傾けてみると
今日の献立を必死に考えているのか、
何度かカキという単語が出ていた。
久々...10年も家に帰れなかった兄を、
潤くんは必死に喜ばせようとしているのだ。
なんともけなげな姿である。
感心感心...。
、と己の足が止まった。
じゃり、と小石を踏みつける音がした。
急に立ち止まった俺を、不思議そうに見てくる弟。
「......カズ?...どした...?」
「いや...」
そんなこと言っているわりには、足が前に進んでくれない。
「...」
彼の居る病院は、もう目の前なのに。
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羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2015年11月24日 12時