<<the past>> ページ45
.
.
.
俺はあの日から、
走ることをやめた。
何度も、あの夢を見るのだ。
智にいの足を、俺が引っ張る夢。
怖くなって、俺は逃げた。
そしていつの間にか、
全力を尽くすことを忘れ
必死で頑張る奴のことを、冷めた目で見るようになった。
親しかった友人も離れていき、
ついに俺は、ひとりぼっちになった。
これは、智にいの幸せを奪った罰だ。
そう思い込めば、こんなこと全く苦にはならなかった。
結局、夏休みになっても、そして冬休みが始まっても
彼は、帰ってこなかった。
彼の持っている爆弾が、今にも破裂しそうなのだと聞いたのは
既に俺が、四年生になった時の話だった。
夜中に、父さんが慌てて病院へと向かった日も、
俺は家にいた。
生死をさまよったと聞いた時は、さすがに不安になったが
おれ自身も会うタイミングを逃してしまって
ついに10年という月日さえ、流してしまった。
その後、なんとか智にいは回復し退院することもあったが、
足の事もあるし、
なによりこの都会の空気が
彼の弱いからだには合わないだろうと、
田舎にすむ祖父母のもとで、智にいは暮らしていた。
286人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:碧 | 作成日時:2015年11月24日 12時