<<the past>> ページ42
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父さんにあの話を聞かされてから、
少し間を開けて智にいに会うことになった。
事故から既に、二週間ほど経っている。
"...普段通りに。
取り乱したりは、絶対しない。"
胸のなかで、翔にいに言われたことを何度も、何度も繰り返した。
父さんの運転する車に揺られ、
真っ白な院内を抜けたら、彼の病室だ。
父さんが、ドアに手をかけた。
ゆっくりと、扉が開かれた。
「...おはよ」
一週間ぶりに会った彼は。
「...おはよぉ。
ふふ、ひさしぶり」
この前会ったときよりもまた痩せていて。
...胸が、ぐっと締め付けられた。
彼は、ギャッチアップして起き上がっている。
前は、起き上がることさえ出来なかった。
「さとにぃ、...こえ...出るようになったね。」
ささっと智にいのもとへといった翔にいは、
近くにあった椅子に腰掛けながら言った。
「うん。喉に入ってたのと、交換してもらったの。」
彼は鼻下にある、チューブを軽くさわりながら言った。
...確かに、前会ったときは口に機械のマスクをしていたっけ。
と言っても、あまり機械の数は減っていなくて。
智にいの鼻には酸素のチューブがあったし、
細い腕にも点滴を抜き差しした痕だろうか、
ところどころ青紫になっていた。
痛々しくて、思わず目を背けてしまった。
でもやっぱり視線は、
布団に隠れされた、さとにいの足に向けられてしまって。
俺は、さとにいの顔を、見ることが出来なかった。
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羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2015年11月24日 12時