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<<the past>> ページ36

「お父さん、少しだけ...」

智にいが頷いたことを確認したあと、先生は父さんに向き合って言った。

「...ここではなんですので、廊下に出ましょう。」

父さんは先生にそう言うと病室から出ていった。


「なんの話だろうね。」

マサキは父さん達の出ていった方を見つめながら言った。

「智君が退院する日の話じゃない?」

翔にいはそう言ったが、

目の前の彼を見る限り、俺はそうとは思えなかった。



智にいから目線を逸らし、

一定のリズムで動くモニターを見る。

相変わらず、耳障りな音が、鳴っていた。

そんな俺に気付いたのか、潤くんが翔にいにモニターを指差しながら聞いた。


「これ、なあに?」

翔にいは ああ、と頷いてから潤くんに目線をあわせた。

「これ、

ドラマとかで見たことない?

これは心臓の音と一緒だよ。ほら、智くんの指に繋がってるでしょ?

智くんの心臓がどくん、どくん、ってなってるとこれも同じように鳴るんだ。」


わかったかなぁ?と翔にいは言った。


自分の胸に、手を置いて深呼吸をしてみた。


どくん、どくん、...。

俺は、生きてる。





正直な事をいうと、

当時の俺は、なぜ智にいが入院しているのか、分かっていなかった。




事故のことが、分からなかったのである。


しばらくして


ぎこちない笑顔を浮かべ部屋に戻ってきた父さんは、

智にいに

"大丈夫だ。"


そう言ってから、一言も喋らなくなった。







「さとにぃ...退院...できるよね。」


帰り道、

静かに言った言葉は、


誰の耳にも入ることなく消えた。

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羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年11月24日 12時

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