<<the past>> ページ35
半ば連行されるような形で連れていかれたのはやっぱりあの白い部屋で。
ドアを開けるなり、
翔にいとマサキは一目散にあの人のいるベッドへと走っていった。
「さとにぃ!」
マサキが勢いを付けすぎ、
ベッド脇の柵ががしゃんと音をたてた。
音に驚き、
隣でビクッと体を震わせた潤くんは
やっと事を理解したのか、
兄達に続いて駆けて行った。
俺はと言えば、
妙に緊張している。
大好きな人に、会うだけなのに。
頭では冷静でも、体は落ち着かなかった。
「さ、カズも智に顔見せてやれ。」
父さんが俺の背中を押した。
その反動で前へ出るが
とん、とん、と
ロボットになってしまったのではないかと思うほど、
変な歩き方しか出来なかった。
ベッドを覗き込むように柵に手をかける。
.
.
.
五日ぶりに見た彼は
あの日よりも、細かった。
ひゅっと息を吸い込む。
"か、ず"
小さく、彼の口が動いた。
でも、いつものような
自分の大好きな声は、聞こえなかった。
「こえ、でないの...?」
思わず、聞いてしまった。
慌てて口をふさぐ。
「...今だけだよ、大丈夫。」
声は後ろから聞こえた。
「先生っ」
父さんがペコリと頭を下げた。
それに続いて礼をする。
先生は後ろで手を組みながらベッドの横まで来ると
智にいの顔をじぃっとみつめ、笑った。
「どこも、痛いところはない?」
小さく、智にいはうなずいた。
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羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2015年11月24日 12時