<<the past>> ページ25
「お、母さん...ぅぅ...ぅあああっ」
マサキが両腕で顔を隠しながら踞った。
「うぁああああ!!おかあさっな...っで!!」
潤くんも涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。
「っ...ぅぅ...」
手で何度も涙をぬぐう翔にい。
「...」
いつもは子供のように明るい父さんが、
涙をぼろぼろこぼしながら泣いていた。
俺は、意味もわからず溢れてくる涙を堪えることが出来ずに
突っ立っていた。
智にいは、
一切泣くこともなく、
ただ静かに、
俺の背中を優しく擦ってくれた。
"早く母さんの所に行くぞ!!"
そう言われて叩き起こされたのは、
みんな寝静まった真夜中。
はっきりとしない意識のまま
智にいに抱かれ車に乗り込んだ。
寝起きで訳もわかっていなかった俺は
急ぐことも焦ることもなく移動する最中も寝ていた。
ひとつ気になった事と言えば、
智にいがやけに俺を強く抱き締め
寝苦しかったことくらいだった。
母さんの病室について、
今、どれだけ大変なことが起きているのかがやっと分かった。
父さんが必死に母さんの名前を呼んでいる。
マサキが泣きながら母さんにしがみついている。
潤くんが、翔にいが...
みんな、必死になって母さんを元気付けようとした。
生きて、ほしかった。
気づいたときには、
病室に朝日が入り込んでいた。
やわらかな日差しが、
暗い病室を、照らしていた。
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羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2015年11月24日 12時