<<the past>> ページ23
あの日も確か、こんな風によく晴れた暑い日のことだった。
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「カズ、お母さんとこ行くぞ。」
「いや!!」
「嫌じゃないって...
もう、カズだけ置いてくよ。」
「...ぅ...いや!!いやなのはいや!!」
週の終わりの日曜日。
今日は久々に家族全員で、
入院している母に会いに行く予定になっていた。
「もー...潤は車で待ってるよ。」
「でも...っ」
嫌々と泣きわめく俺を必死になだめているのは
当時小学四年生の翔にい。
と、翔にいの後ろには人影が。
「ほい、行くぞ」
ふわっと体が抱き上げられた。
首にかかるふわふわの髪の毛がくすぐったい。
「...さとにぃ...」
「んー?」
抱き上げたのは智にい。
当時小学5年生の彼は、まだ兄弟の中では一番背が高かった。
「かあちゃん、かずがくるの待ってるんだよ。
かあちゃんを喜ばせてやんなきゃな。」
「...ん...」
智にいの言葉に俺は素直に頷いた。
その当時、智にいにべったりだった俺は、
よく他の兄弟を困らせては智にいにくっついていた。
智にいに抱かれたまま車にのせてもらう。
智にいが、大好きだった。
「それじゃ出発するぞー。」
運転する父親とは
仕事が忙しく日曜日くらいしか顔を合わせることはなかったが、
四人の兄弟たちに囲まれて暮らしていたからか
あまり寂しいとは思ったことがなかった。
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羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2015年11月24日 12時