16 <third story> ページ17
「じゃあ俺風呂入ってくるね」
食事も終わり、お腹いっぱいになったところで
兄弟達は順番にお風呂に入っていった。
俺はというとさっきまで我慢していたゲームを再開し、
一人の世界に入り込んでいた。
...のは十分前。
今はゲームに浸っていられるような状況ではない。
翔にいは風呂。
マサキはなぜかバイト先からのお願いで急遽店へ。
潤くんは皿洗いをした後、勉強をするらしく自室へ。
そう。
リビングにいるのは完璧、二人だけなのである。
...この俺が
全くゲームに集中できない。
むしろ出てくる感情は、
焦り。
先程から短時間で
"game over "
の文字を
何度も見ている。
そんな自分が、腹立たしかった。
それがまるで...
「ねえかず。」
「...はい...。」
ゲーム機を、パタン、と閉じる。
彼はゆっくり聞いた。
「もう腕と足、
大丈夫?」
「...は...?」
...こいつは何を言っているんだ。
大丈夫...?
「...なんの事ですか。」
「おいら...あん時、結構強く押しちゃったから...。」
まだちっちゃかったのに...。
彼は言った。
「...」
変わらない、一人称。
...変わらない、
性格。
俺は
そんな彼の性格が、
...心底嫌いだった。
「...大丈夫じゃないのは、
あんたの足だろ。」
俺の言葉に、
少しひきつった、彼の笑顔。
言いたくもない言葉が、すらすら出てきた。
胸のモヤを、吐き出した。
そんな自分が、
嫌だった。
なのに、
なんで素直な言葉が、
話せないのだろう。
「いっつもそうやって...
っなんで俺を責めないんだよ!!
なんでそんなに笑ってんだよ!!
...意味わかんねえし...。」
いっそお前のせいだと言ってくれた方が、
どれ程楽か。
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羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2015年11月24日 12時