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「...」

潤くんは何か察してくれたのか、無理に動こうとせず一緒に立ち止まってくれている。

そんな潤くんに申し訳ないと思うと同時に、


胸の辺りがモヤモヤと重たくなり

さらに肩を落とした。


「おーい!!ふたりー!!」

突如後ろから、聞き慣れた大きな声が聞こえた。

俯いていた顔をあげ、後ろを向く。


兄二人だ。



「ごめん、待たせた?思ったより長引いちゃって...」

「大丈夫。俺たちもほんの一分前くらいに来たし。」

そう言う翔にいは汗をかいている。








...走ってきたのだろう。


そんな翔にいの隣で疲れた様子を微塵も見せないマサキ。


さっきからあひゃひゃと笑っている。

「もう翔ちゃん、

こんなちょっとの距離なのにすぐバテちゃって...

オレ結構ゆっくり走ってきたのに...」

やれやれといった様子のマサキ。

マサキは小・中・高とバスケ部に所属していた。

今でも動物たちとよく戯れているので元気一杯だ。

翔にいとの体力の差なんざ天と地の差があるだろう。




いつの間にか影が深くなり、辺りが薄暗くなってきていた。

「さ、時間も近くなってきたし早く智君の所まで行くぞ。



...カズ。」


「なんですか。」

すっと俺と潤くんの間に入ってきた翔にいは俺に笑って見せた。


「お前は悪くない。」




ドクン、と心臓が跳ねた。



「...俺は...」

声が、震えている。


一息ついて、翔にいはゆっくり言った。



「...俺が言っても、説得力がないのは分かる。

でも...


智くんから逃げていたら、



何も変わらねえよ。」


翔にいの大きな瞳が、鋭く俺の方を向いていた。

ぎゅっと拳を強く握る。

...10年会わなかった兄弟。

しかも、


会わなくなった理由は、自分のせい。

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羅瑠亜(プロフ) - しば☆さん» そうなんです!私もこれ、投稿してから気付きまして、お話の一番最後に謝ろうかな~と思ってあえて直しませんでした。じっくり読んでくださるなんて感激です(T T)ありがとうございました! (2015年12月27日 5時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
しば☆(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!読み返してて思ったんですが、3の潤くんの先輩のパスが~ってやつなんですけど、これって高3設定ですよね?間違ってたらすみません!(TT) (2015年12月27日 2時) (レス) id: ff7e12661e (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいかぎりです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします^^ (2015年12月23日 22時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 初めまして。とても素敵なお話しで、いっきに読ませていただきました。更新は大変だと思いますが楽しみにしています。 (2015年12月23日 21時) (レス) id: 0ef3f92166 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 美唯さん» 落花に引き続きありがとうございます。頑張ります!(^-^) (2015年12月13日 20時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年11月24日 12時

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