検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:29,861 hit

緊急プラン 弐 ページ29

スコット「君が文字通り”道標”だからだよ。君を空の上にお招きしたのは、眼下の街と一緒に灰になられては困るからだ」

中島「何…?」

衝撃的かつ残虐的な発言を受けた中島の血流が一気に下降した

スコット「異能特務かは無力化した。残るは探偵社とポートマフィアだが、この二組織には流石に手を焼いていてな。街ごと焼け野原にした方が後々の探し物も楽だ」

中島「焼け野原?そんな強力な異能が在る訳…」

スコット「これに」

スコットは自分の座っている椅子の横に置いてある袋から”人形”を出した

中島の見覚えのある、否な記憶と結びつくものだ

スコット「見覚えがあるだろう?」

――夢野の人形に――

最悪の計画はもう始まろうとしていた

-----------同時刻-----------

ジョン「”緊急プラン”っていうのは要するに、君と僕の異能の連携さ。僕の『葡萄』は宿主と他の樹木とを仲介し感覚を共有する能力だ。今回は横浜凡ての樹木を君に接合した。そうとも知らない地上の人達は、何時もの様に木の根を踏み、幹を叩き、枝を切り落としてる。その痛覚信号が全部、今も君に流れ込んでいる訳だ」

夢野「詛ってやる…殺して遣る…!(ギリッ…」

ジョン「そう。大事なのはそれだ。君の異能は、”自分を傷付けた相手を詛う”能力。詛われた相手は狂乱して周囲を無差別に襲う」

夢野の能力の厄介な処を逆手に取られて、作戦として打ち立てたのだ

ジョン「さて、ここで問題。君が今、異能を発動したら、地上はどうなると思う?」

-----------

スコット「作戦参謀の計算ではこの人形の頭部を裂くと、街のほぼ1/5の人間に詛いが発動する」

中島「駄目だ…やめろ!」

自分がそれを受けたからこその拒絶だった
自分が起こしたことが、街の人達に降りかかれば、喧嘩を過ぎ、殺人騒ぎになり多くの人達が亡くなるだろう

スコット「何も知らん現地民を犠牲にするのも俺も気が重い。だが、『あれ』をこんな未開の小国に放置する訳にはいかん。力と責任ある我々が管理せねばな」

其れは唯の建前でしかないように伺えた
スコットの事だ、罪悪感など雀の涙ほど感じていないだろう

----------------------

ジョン「これが緊急プラン…別名、”横浜焼却作戦”だ。君の街は滅びる。君の所為でね」

小さな雫が落ちた

夢野「どうして…ぼくはただ楽しく行きたいだけなのに」

其れを願うには、余りにも幼く、大き過ぎる力を持って生まれてしまった子供だった――

-----------
次の更新日に!

番外編→←緊急プラン 壱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

幸祐 - 月瀬さん» 有難う御座います!指摘助かります! (2019年7月27日 15時) (レス) id: 991f5a7ceb (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - いつも 楽しく読ませて頂いてます!あと、「信念」が「新年」の誤字です… (2019年7月12日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:幸祐 | 作成日時:2019年5月10日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。