緊急プラン 弐 ページ29
スコット「君が文字通り”道標”だからだよ。君を空の上にお招きしたのは、眼下の街と一緒に灰になられては困るからだ」
中島「何…?」
衝撃的かつ残虐的な発言を受けた中島の血流が一気に下降した
スコット「異能特務かは無力化した。残るは探偵社とポートマフィアだが、この二組織には流石に手を焼いていてな。街ごと焼け野原にした方が後々の探し物も楽だ」
中島「焼け野原?そんな強力な異能が在る訳…」
スコット「これに」
スコットは自分の座っている椅子の横に置いてある袋から”人形”を出した
中島の見覚えのある、否な記憶と結びつくものだ
スコット「見覚えがあるだろう?」
――夢野の人形に――
最悪の計画はもう始まろうとしていた
-----------同時刻-----------
ジョン「”緊急プラン”っていうのは要するに、君と僕の異能の連携さ。僕の『葡萄』は宿主と他の樹木とを仲介し感覚を共有する能力だ。今回は横浜凡ての樹木を君に接合した。そうとも知らない地上の人達は、何時もの様に木の根を踏み、幹を叩き、枝を切り落としてる。その痛覚信号が全部、今も君に流れ込んでいる訳だ」
夢野「詛ってやる…殺して遣る…!(ギリッ…」
ジョン「そう。大事なのはそれだ。君の異能は、”自分を傷付けた相手を詛う”能力。詛われた相手は狂乱して周囲を無差別に襲う」
夢野の能力の厄介な処を逆手に取られて、作戦として打ち立てたのだ
ジョン「さて、ここで問題。君が今、異能を発動したら、地上はどうなると思う?」
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スコット「作戦参謀の計算ではこの人形の頭部を裂くと、街のほぼ1/5の人間に詛いが発動する」
中島「駄目だ…やめろ!」
自分がそれを受けたからこその拒絶だった
自分が起こしたことが、街の人達に降りかかれば、喧嘩を過ぎ、殺人騒ぎになり多くの人達が亡くなるだろう
スコット「何も知らん現地民を犠牲にするのも俺も気が重い。だが、『あれ』をこんな未開の小国に放置する訳にはいかん。力と責任ある我々が管理せねばな」
其れは唯の建前でしかないように伺えた
スコットの事だ、罪悪感など雀の涙ほど感じていないだろう
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ジョン「これが緊急プラン…別名、”横浜焼却作戦”だ。君の街は滅びる。君の所為でね」
小さな雫が落ちた
夢野「どうして…ぼくはただ楽しく行きたいだけなのに」
其れを願うには、余りにも幼く、大き過ぎる力を持って生まれてしまった子供だった――
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幸祐 - 月瀬さん» 有難う御座います!指摘助かります! (2019年7月27日 15時) (レス) id: 991f5a7ceb (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - いつも 楽しく読ませて頂いてます!あと、「信念」が「新年」の誤字です… (2019年7月12日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幸祐 | 作成日時:2019年5月10日 20時