6* 湿気で割増 ページ6
.
4時間目の終わりから雨が降ってきた。
私の鼻予報がまた当たっちゃったよ。
さてさて、昼休み。
「高屋〜ご飯食べよ〜」
「あーごめん昼休みちょっと抜ける」
「まじか、了解」
いつも一緒にお昼ご飯を食べている友人に振られ、今日はぼっち飯になった。
ほかの友達のところに移動してもいいんだけど、正直面倒。
自分の席でお弁当を広げて、蓋を開ける。
私は今日、この瞬間のために学校に来ていると言っても過言ではない。
…ちょっと過言か。
ああ〜今日も最高、さすが留兄…
いつもは自分で作っているのだが、前日が遅かったり、朝が早かったりすると、隣の家の留兄に作ってもらう。
留兄はひとつ上で、この学校の3年。
昨日の夜は遅かったから、夜中にメッセージ送って頼んだんだけど…
夜中に頼んだのに対応してくれるのがすごいよなぁ…
こういうのをスパダリと言うのか。いや、ダーリンではないんだけど。
窓の外を見ながらお弁当を頬張っていると、視界の端に明るい茶色のふわふわが写った。
「あ、ご飯中ごめんねAさん」
ふわふわの正体は不破くんだったようだ。
いや、ギャグとかじゃないよ？
まるでわたあめみたいに髪がふわふわしている。
くせっ毛かな？たぶん湿気で割増なのだろう。
「んーん、全然大丈夫。どうかしたかい不破くん」
「朝、三郎が嫌な態度だったでしょ？気に触ってないかなって思って…」
「あぁあぁ全然何ともないよ、用事ってのも私の勘違いだったみたいだし」
あはは、と頭をかいてみせる。
「ほんと？よかった。…ごめんね、三郎ってほんとはあんなんじゃないんだ。
僕らといる時は普通に話すし、笑ったりするんだけど…
なんか、他の子と接する時はそうじゃないみたいで。特に女の子は…」
「わかってるわかってる、というかなんとなく察してた」
不破くんはわざわざ鉢屋くんの代わりに謝りに来てくれたようで。
謝ることなんてないんだけどね。
それにしてもいい子すぎか、鉢屋くんと仲いいんだなぁ、さすが双子。
…あれ、双子？なんか普通に双子だと思ってたんだけど、よく考えると苗字が違う。
これは踏み込んでいいやつなのだろうか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ - はーもう何回読んでもキュンキュンです更新待ってます！ (2021年9月12日 18時) (
レス) id: 5d4ddc9a48 (このIDを非表示/違反報告)
moufu0727(プロフ) - すっっっごく素敵です！！更新されるのを楽しみにしています(^ ^) (2021年5月5日 13時) (レス) id: be7d571388 (このIDを非表示/違反報告)
はすいろ(プロフ) - 題名忘れて二年間ぐらいずっと探してました！更新待ってます！ (2020年5月16日 3時) (レス) id: 0c8b5c5d9d (このIDを非表示/違反報告)
夢少女リノ - 続きを踊りながら待機 (2017年12月12日 5時) (レス) id: 228e8ecf3d (このIDを非表示/違反報告)
Ａｏｈａ - なんか私高屋さんみたいな親友ほしい。出来れば鉢屋みたいな彼氏がほしい。続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2017年12月12日 1時) (レス) id: 99600ecbc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RITZ(リッツ) | 作成日時：2017年8月18日 2時
