28* 格好悪い(鉢屋side) ページ28
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ずっと続く長い階段に立っている。
そして30段ほど先には自分の想い人の背中。
全力で登れども、彼女との距離は縮まらない。
彼女が振り向き、こちらに手を振る。
すると突如、彼女の姿は消えてしまった。
わたしは行くなとばかりに、手を伸ばし虚空を握りしめた。
『この距離が何なのかなんて、もう気づいてるでしょ？』
「ん…」
薄暗い、見慣れた景色の中で目が覚めた。
目覚めの悪い夢を見たもんだ。
…？
目の前に、頭らしき影が見える。
その影は反対を向いていて、顔は見えないが、小さな寝息を立て、眠っているようだ。
頭が追いつかない間に、目が暗がりに慣れていく。
…A…？
…ああ、そういえば諸々を届けに来てくれたんだったか。
それで、肩を借りて2階に登って、わたしが眠って…というか半ば気を失って…
思考を巡らしていると、自分の右手が、Aの手首を掴んでいるのが目に入る。
寝ている間、相当強く握っていたのだろうか。
その細い手首は、少し青くなってしまっている。
わたしは慌ててその手を緩めた。
いつもは、それなりに賑やかな彼女も、寝てしまえば静かなもので。
思えばAには、格好のつかないところばかり見せている気がする。
文化祭の準備のこととか、…恋愛だとか。
ただのクラスメイトとしても、仮にも男として、面目が立たない。
むしろAの方が漢前じゃないかなんて。
言ったら怒られるだろうか。
今だって、わたしが強く手首を掴んでしまっていたために、帰れなかったんだろう。
しかも、青くなるまで。
振り払うことも出来ただろうに。
…格好悪い自分に嫌気が差す。
わたしは…こいつの隣にいると、気が緩みすぎるんだ。
いつだったか、隣で眠りこくってしまったこともあった。
他の奴の前では、そんなこと絶対にないのに。
なんて、言い訳がましいか。
わたしは重い体を起こした。
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あ - はーもう何回読んでもキュンキュンです更新待ってます！ (2021年9月12日 18時) (
レス) id: 5d4ddc9a48 (このIDを非表示/違反報告)
moufu0727(プロフ) - すっっっごく素敵です！！更新されるのを楽しみにしています(^ ^) (2021年5月5日 13時) (レス) id: be7d571388 (このIDを非表示/違反報告)
はすいろ(プロフ) - 題名忘れて二年間ぐらいずっと探してました！更新待ってます！ (2020年5月16日 3時) (レス) id: 0c8b5c5d9d (このIDを非表示/違反報告)
夢少女リノ - 続きを踊りながら待機 (2017年12月12日 5時) (レス) id: 228e8ecf3d (このIDを非表示/違反報告)
Ａｏｈａ - なんか私高屋さんみたいな親友ほしい。出来れば鉢屋みたいな彼氏がほしい。続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2017年12月12日 1時) (レス) id: 99600ecbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RITZ(リッツ) | 作成日時：2017年8月18日 2時
