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「あー、わっかんね…」
「月島先生？」
「…ん」
「まあ、女心と秋の空って言うやん。
理解できひんのも無理ないと思うで？」
女心と秋の空。
まさにその通りだと思った。
「でもええな、一味違った青春で」
「神ちゃんってほんま理解あるよな」
「え、やってワクワクするやん。
こんなイケメンと先生の恋やで？もうドラマやん！」
「んな乙女みたいなこと言うなや」
″ ごめんなさい ″
涙をボロボロと零しながら何度も呟かれたその言葉。
何に対しての「ごめん」なのか。
大人が言う謝罪の言葉は意味が多すぎて分からない。
いずれ社会に出たら、分かるんだろうか。
好きを抑える術も。
世間のルールというやつも。
好きを抑えられてしまうほど、分かるようになってしまうんだろうか。
「乙女にもなるよ、のんちゃんイケメンやもん」
「んー…」
「ええなあ、俺も恋したーい」
神ちゃんやってモテてるやん。
彼の言葉に首を傾げると、目を丸くしたあと、堪えきれずといったように彼は笑いだした。
「え、なに」
「ふふっ、や、のんちゃんアホやなあって」
周りが見えなくなるほどの恋してみたいやん。
「…」
「ありゃ、ピンと来やん？
誰かさんぐらい必死で人を好きになりたいってこと」
ニヤリと口角を上げた神ちゃんに、思わず顔が熱くなる。
本音とからかい。
彼の言い方はどちらか分からないから難しい。
でも今のは…
「顔赤ない？暑いん？」
「…神ちゃん、ウザ絡みダルい」
「んはは」
完全に後者だ。
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