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「え、何それ!いいじゃん!」
『いや、え、話聞いてた?』
「聞いてたよ。店員さんに番号もらったんでしょ?
新しい恋の予感じゃない?」
『いやいや、私宛なわけないじゃん』
「なに言ってんの!じゃあ今日確かめに行こ!ね?」
事の成り行きを説明すれば、この有様。
いや、私は実紅宛だって今言ったはずなんだけどな。
え、なんでこうなるの。
『なんでそうなるの…』
「仕事頑張れるじゃん。
仕事のあとを楽しみにしてさ!」
『いやだから、私じゃ……』
「もう私が楽しみになっちゃう。
あ、ごちそうさま!美味しかった!」
『え?あ、うん。それはよかったけど』
私より楽しそうに笑顔を浮かべる実紅。
なんでこうなっちゃうかなあ…
「うわ、時間やば。
私一旦家帰ってから出社するね。また会社で!」
『あ、うん。分かった。気をつけて』
「ありがとう。ごちそうさまでした!」
『…さて、私も準備しなきゃ』
バタン、と勢いよく閉まったドア。
途端に静かになる部屋に少し寂しさを覚えながらも、仕事やその他諸々の準備を始めた。
『…連絡ください、か』
テーブルに置かれたレシート。
いつの間にか見ていることに気がついて、慌てて頭をぶんぶんと振る。
気にしちゃだめ。
私宛じゃないんだから。
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