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「この近くの店に俺の知り合いがおるんやけど、そこでもええ?」
『はい』
部長の知り合い…
きっと、面白い人なんだろうな。
『ふふっ、』
「ん?なんか俺変なこと言うた?」
『え?あ、いえ、思い出し笑いです』
「ははっ、なに考えてんねん」
『なっ、別になんでもいいじゃないですか!』
重岡さん、面白かったな。
まだ少ししか話したことないのに、新しい彼を知る度喜んでる自分がいる。
もうそろそろ、見ないフリは限界なのかも。
「ここやで」
『ここ、ですか?』
「来たことある?」
『あ、まあ、はい』
「ごめんな、他のところにすればよかったな。
違うところ行くか?」
『いえ!ここが、いい、です』
ねえ、世間って狭すぎるよ。
「いらっしゃいませ…って、淳太やん!」
「しげ、ちゃんと接客しいや」
「別に知り合いにはええやろが。なに、一人なん?」
「いや、会社の後輩と」
「後輩?珍しいやん。…あ、え?」
『あの、お久しぶり、です』
私を見て固まる重岡さん。
部長と私を交互に見て目を見開いてる。
そりゃそうだよね、自分の知り合いがそのまた知り合いを連れてきたら。
そうもなるよね。
「え、淳太と同じ会社やったんですか?」
『はい、部長の後輩です』
「ちょ、待って。置いて行かんといて」
とりあえず、案内するわ。
驚いたような、悲しそうな?
そんな顔をして私たちの先を歩いてく。
会えて嬉しいなんて思ってるのは、きっと私だけ。
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