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「あ、」
『…あ』
そわそわしながら彼を待つ放課後。
駅のホームはまだそんなに混んでなくて、駆け寄ってくる彼のことはすぐに見つけられた。
『来て、くれたんですね』
そう言うと照れくさそうに笑って、目線を横に流す。
ちょっと厳つい見た目とは裏腹なその行動がなんだかすごく可愛くて。
『ふふ、』
思わず、笑っちゃう。
『今朝はありがとうございました』
「ああ、全然ええよ!」
『お礼したいなって、思って。お時間ありますか?』
「え!ほんまに?ええの?」
『はい』
ええ子やなあ、なんて。
待ってるって言われただけで来てくれるあなたの方がよっぽどいい人です。
「あ、ほなカフェとか行かん?
もっと君のこと知りたいし、色々話したいねん!」
『っ、へ、』
ふわっと笑ってそう言った名前も知らない彼に、胸がドクンと波打った。
「ん?どした?」
『…いえ、なにも、ないです』
彼に恋しそうな予感がした、その瞬間。
朝何気なく聞いていた流行りのラブソングが頭の中に流れた気がした。
それからというもの、朝の占いを信じるようになったのは、恥ずかしくて誰にも言えないや。
「A?」
『…ん?』
「ぼーっとしてたから」
『ふふ、昔のこと思い出してた』
彼と巡り合わせてくれた紫色のイヤホンは、今もまだ彼の隣で音楽を奏でています。
「あ。待ってますって言うてたやつ?」
『ちょっと、やめてよ恥ずかしい』
___Fin
「黄」本命にちょっとの反抗心。→←「紫」あの日の幸運を半分こ。
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凜憧(プロフ) - 一波さん» 一波さん!いつもありがとうございます(´ー`)こちらこそ、今年も沢山の励みをありがとうございました!一波さんも良いお年を(^ワ^=) (2019年12月22日 15時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - のんちゃんの最新作両片思いで焦れったくても〜!って、やきもきしちゃいました!今年も素敵なお話たくさんありがとうございました(^^)よいお年を(^^)素敵な (2019年12月22日 6時) (レス) id: b7aae62310 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - お返事ありがとうございます!こちらこそ面白いお話ありがとうございます!これからも楽しみに待ってます! (2019年10月4日 23時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 一波さん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです、頑張ります!こちらこそ閲読いただいてありがとうございます! (2019年10月4日 19時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 私を覚えていてください。今読みました!すっごく後に引くお話だったので新作として書いてくれるの嬉しいです!ステキなお話ありがとうございました。 (2019年10月4日 0時) (レス) id: 00967ad8ca (このIDを非表示/違反報告)
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