【リボーン】Un viaggio per trovarmi (ページ2)

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出会いページ2

母さんが死んで以来、我が家には暗い空気が流れていた。
誰も言葉には出さないが、俺も、父さんも、ファミリーの皆も、ただただ元気を装っていた。

Aに出会ったのは、そんな頃だった。

街の皆が知り合いみたいな、そんな小さな港町。それが俺の故郷、俺の街だ。
街の隅々まで知り尽くしている俺は、今日も誰も知らない一人だけの秘密基地に向かう。
岬にある小さな洞穴。満潮時には水で満たされるこの場所には誰も来ない。

母さんが死んだのはつい先週のこと。葬式も済ませたけど、まだ全然現実を受け入れられなかった。

悲しいのは俺一人じゃない。父さんも辛くて悲しいはずなのに、俺の前では決してへこたれた姿を見せなかった。だからこそ俺も皆に見られないよう一人で泣いた。

ディーノうぅ、、母さん、、
こらえきれずに涙がこぼれる。膝を抱えて泣きじゃくっていたら、奥の方で物音がした。

ディーノ!だ、誰だ!!
慌てて涙をぬぐうと音のした方へ足を向ける。

ディーノだ、誰か、いるのか、、?
恐る恐る岩陰を除くと、そこには小さな小さな赤ん坊がいた。

赤ん坊は俺を見るとにこっと微笑んだ。
小さな赤ん坊の笑顔に気が抜ける。
そっと指を伸ばすと、きゅっと握った。その握力の弱さに庇護欲がかきたてられる。

赤ん坊を抱きかかえると小さいながらもずっしりと腕にかかる負荷に命の重みを感じた。

何でこんなところに赤ん坊が、とかそんな疑問がふっと頭をよぎったが、俺の腕の中でニコニコ笑う姿を見たらどうでもよくなった。
この子を連れて帰らなきゃ。

しっかりと抱きかかえると、家に走った。