大人になる瞬間だ ページ38
＿＿手慣れた手つき。
消えてしまいそうな白い細い指でリボンを結びつけて、きゅっと最後に蝶々結びを添えた。
去年も一昨年も、少し早めにクリスマスツリーを出したのを覚えている。
そういえば、去年はリボンを結ぶのが下手な私を 橙は笑って見てたんだっけな……。
「……綺麗」
私の言葉に反応したのか、LED電球をつけた橙。
私もそれに合わせて、LED電球のスイッチを押す。
水色と赤色が、小さく光る。
その光は、何かに反射するような輝きを見せていた。
大人になるにつれ、少しずつ変わっていく私達。
同じ場所で、同じように成長していくわけじゃない。
根を張り続けるように育つ私は、橙に近付いているか離れているか……
きっとそれは、今後の関係が千切れるか千切れないかの瀬戸際。
「……Aはさ」
存在そのものも、消えてしまいそうだ。
大人は言う。
�狢膺佑砲覆蠅覆気き瓩函�
でも人間誰しもが、大人と子供の境目は知らない。
大人っていつから大人なんだろう。
どうしたら、大人になれるの？
大人は、年齢じゃない。
だったら、私達は＿＿＿
「僕の事、どう見てる？」
甘酸っぱい青春を送って、
たくさんの色に染まるような子供だ。
きっと大人は単色でいる。
そう、理想の大人は……。
「……どう、見てるって」
戸惑いを隠せない。
それは 私を含む相関図に、貴方がどこにいるか分からなかったからだと思う。
「Aのどこに、僕はいる？」
私の頬に手を添えて、真剣な眼差しを見せる橙。
……そんなの、ズルイでしょう。
「……分かんない、よ」
それは、きっと塗(まみ)れる色を 決めていないから……。
「僕は……Aを、誰にも取られたくない」
私の頬に添える手の力を、少し強くした。
橙の声音は、いつもより堂々としていた気もする。
パレットの渇きを抑えることは出来ない。
どれかの色を求め、どこかの誰かを求めるんだろう。
橙と私は見つめ合う。
その視線は、応答待ち。
「……橙、少しだけ、待ってて……？
ほら、私にも……その 準備があるから」
たどたどしく繋いだ言葉を不審に思われてないか、表情を伺った。
橙は意味が分かったのか、コクリと頷く。
「Aがちゃんとした答えを出すまで、僕はいつまでも待つよ」
ドラマみたいにカッコつけちゃって。
その眼差しだって、本来は私に向けるものじゃないでしょ。
なんて、心の中で水を差す。
誰かと想いが結ばれる時には、このクリスマスツリーが店頭で売られる頃……つまりは、クリスマス。
それが私の、大人になる瞬間だ。
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神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 自由自在に色変わる＝カメレオン (2018年2月2日 18時) (
レス) id: fc6b8aa6a8 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと(プロフ) - 神應寺 将輝＠白狐＆雪犬さん» 毎度毎度コメント有難いです…！ なるほど、その考え方もあるのですね。ちなみに私は、自分に合った色に染まりたいです。期待だとか、夢の色だとか……何かの言葉通りじゃなく、自分自身が表せるような色です。要約すれば 自由自在に色を変化させていくって事ですね。 (2018年2月1日 3時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 何色に染まりたいか。僕は黒だな。孤独の色 (2018年2月1日 0時) (レス) id: 29ea05fe68 (このIDを非表示/違反報告)
神應寺 将輝＠白狐＆雪犬(プロフ) - 応援頑張ります(。・ω・。)ゞ (2018年1月19日 14時) (レス) id: b4c20837f1 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - 神應寺 将輝＠白狐＆雪犬さん» コメントありがとうございます〜！！ちょっとそのお話は自信がなかったんですけど、切ないと言っていただけて何よりです（笑）これからも応援宜しくお願い致します！ (2018年1月17日 18時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ：http:/ 作成日時：2017年12月6日 19時
