聞かせたくなかった話、七つ目。 ページ7
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まず、真っ直ぐベランダへ向かう。ベランダには火事の際に困らないよう、梯子があるのだ。梯子を下の階へ垂らして、僕は降りる。
あまり階数は高くないので、2階から飛び降りた。一瞬、辺りは騒然となるが、僕は気にしない。
走る。
走る。
そして__肩を叩かれた。
「私から逃げて、何処に行く気?」
「にい、さ……ま?」
整わない息でみっともなく肩で息をしている僕に比べて、何とも平然な顔の兄。
おかしいだろ。
なんで追ってこれるんだよ。
「嗚呼、駄犬には躾が必要だね」
諦めたように僕の首根っこを掴むと、僕を引きずろうとする。
僕は包帯だらけの手に、ガブリと噛み付いた。
「……嫌だね」
負けたっていい。最終的に逃げ切った者勝ちなのだ、と僕の中の何かが云った。僕は走る。
樋口さんが前に云ってた。
『太宰幹部は何かを隠しています』と。
なら、暴いてやろうじゃないか。
それが、僕のせめてもの反抗なのだから。
これは血を分けた僕らの小さな小さな独立戦争なのだ。
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ゆちよきし(プロフ) - レンさん» おおっ!お久しぶりです!あの、レンさんでしたか!同名の作者の方かと思っていました(笑)いえいえ!誰でも体調崩すときはありますから大丈夫ですよ!元気になったら、ツイッターで喋りましょう! (2019年1月21日 20時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ゆちよきしさん» ゆちよきしさんお久しぶりです!コメントありがとうございます!体調管理なってなくてすみません……一気読みは嬉しいです!今後も頑張っていきます! (2019年1月21日 19時) (レス) id: c18a6b747d (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - 金平糖兎さん» コメントありがとうございます!どうにか復帰しました汗 体調管理下手ですみません…… 本日夜には更新すると思うので、気長にお待ちください^^ (2019年1月21日 19時) (レス) id: c18a6b747d (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 前作も、今作も一気に読ませていただきました。とても、面白くつづきが気になります。インフルの時に無理して投稿しなくても良いですよ、気長に待っていますし、お大事にしてください。作品、楽しみにしています!頑張ってください!初コメントで長文、失礼しました。 (2019年1月21日 0時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖兎(プロフ) - インフルエンザ辛いんで、むしろ一週間は休んでいいと思います!この小説の更新待ってます!早く元気になってくださいね笑 (2019年1月19日 19時) (レス) id: 4e8fb697e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2019年1月18日 18時