十一話 ページ13
『………』
姉さんが間違ってる？
違う……違うよ。
姉さんはただ、皆と遊びたかっただけ。
外に出たこともなくて、人との正しい接し方が分からないまま育ったから、こんな風になっただけ。
姉さんは何も悪くない……。
悪いのは僕達の両親だよ。
姉さんだって本当はこんな事したい訳じゃない。
だって、今も五虎退さんから奪った物を壊さないように大切に持ってる。
姉さんはどう話しかけたら良いのか分からなくて、こうなっちゃっただけ。
姉さんはただ、普通にお話して、楽しく遊びたかっただけなのに。
そんな事を考えている間に、姉さんは鶯丸さんをギッと睨んで怒鳴った。
(人1)「華っ！鶯丸を折って！！！」
『！！！』
折る？鶯丸さんを…僕が…？
僕が鶯丸さんを消すの…？
姉さんを見ると、とても悲しそうな目をしていた。
睨んでいるのに、目は泣いてる。
あぁ……姉さんが泣いてる…。
僕が守ってあげなくちゃ…。
僕はゆっくりと頭を下げて、言った。
『………分かったよ、姉さん。』
その瞬間、大広間にいた数少ない刀剣達がどよめきだした。
そして、「止めろ」「駄目だ」「殺さないで」という声が飛び交う。
姉さんは言霊を使って全員の動きを封じて、僕は鶯丸さんの本体を奪った。
鶯「華…？」
『……姉さんが消してほしいと願うのなら、僕はそれに応える。』
僕はゆっくりと両手に力を込めた。
すると、刀はパキパキと嫌な音を立ててヒビを作る。
手が震えて力が上手く入らなくて、僕はだんだん呼吸が荒くなる。
その時、姉さんが僕を急かした。
(人1)「華、何してるの？早く折って！」
『………っ！！！』
バキン＿＿＿！
鶯「っか、は……！」
僕はぎゅっと目を瞑って刀を折った。
瞬間、鶯丸さんは苦しそうに顔を歪める。
僕はすぐに刀から手を離し、その場に呆然と立ち尽くした。
鶯「は……な…っ……」
『…………姉さんの、為だよ…』
鶯「………＿＿＿。」
『！！！』
鶯丸さんは消えて、辺りにいた短刀達は涙を流した。
姉さんは微笑んで、お昼寝をすると言って部屋に戻った。
僕は暫くその場に棒立ちになっていたが、すぐに折れた本体を持って庭に飛び出した。
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空波 - 悪ノ召使と悪ノ娘がモチーフですよね…！私自身あの曲を聞いて大号泣していたのを思い出しました…(笑)いざその立場になるとなんとも言えませんね…他の作品も読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2020年7月25日 11時) (
レス) id: 24df3d328f (このIDを非表示/違反報告)
紅キ霧雨 - 真天晴夏さん» 嬉しいコメントありがとうございます！！作者自身がちょっと変な思考回路をしているので…(笑) いろんな作品を読んで、いろんな考えを持っていただけたら幸いです！ (2018年12月10日 14時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
真天晴夏(プロフ) - 作者さんの作品は沢山読ませてもらってます！ここまで斬新？な作品は初めて読んだと思います。妹にも姉にも何か自分でも分からない感情がうまれました。頑張ってください！ (2018年10月3日 23時) (レス) id: 5832349e61 (このIDを非表示/違反報告)
紅キ霧雨 - 鏡花さん» そうですよ〜！気付いていただけて嬉しいです！(*＞∀＜*) あのセリフはもう何としてでも取り入れたくて…！ (2018年7月24日 20時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花 - 悪ノ召使をモチーフにしたんですね！最後の「おやつの時間だわ」で気付きました！ (2018年7月16日 12時) (レス) id: 679ef415fd (このIDを非表示/違反報告)
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