十六 苦悩 ページ17
『却説…どうする?』
車の中で作業を始めた。
「君には喫茶店の場所の特定をある人と共にして欲しい。」
神の目…人物識別機か。
『フランシスさんと?』「じゃ、後はよろしく。」
《あ_あー__聞こえてますか、フランシスさん。》
<嗚呼、聞こえている。>
早速作業を始めた…どうやら、神の目は制御装置を通して使う。
しかも識別には範囲が広いと更に時間がかかる…
《…店の風景なら覚えている、端末の地図から炙り出せばかなり楽な筈だ。》
<随分と詳しいな、異能か?>
フランシスさんは語りかけながら地図を開き、今の割れている場所指した。
《そうだよ。》
<矢張り、此処から先の出来事も知っているのか?>
《未来は…全て記憶しているわけじゃない。》
喫茶店はヨコハマ内で…否、多過ぎるな。
目を塞ぐぎ開き直すと見慣れない露西亜帽子を見かけた。
《…四時方向の道路にフョードルらしき人を確認、
そこの識別をお願いします。》
『太宰さん、識別結果が出ました場所は___』
「すぐ向かおう、君は谷崎くんに連絡をしてくれ。」
太宰さんは席を離れ、車から降りた。
次は私がどんな選択肢を取ろうと、最悪な死に方が予想される。
全ての異能力者を_______消すしかない。
人を一人も滅ぼさず異能力自体を消す。
必要なのは自己犠牲だけで良い。
そうすれば、皆んな救える。
不安を覆い隠す為に私は指を手で握った。
そこには今までの罪悪感や恐怖が募っているように悴んでいる。
『…電話しなきゃ。』
先程云われた言葉を思い出し、私はすぐさま携帯を取り出した。
"谷崎さん"と書かれている場所を押し、着信音を何度か聞いた後、
ようやく声が聞こえた。
《谷崎さん、其方はどうなりましたか?》
<いや…敦くんが云うには居ないみたい、そっちはどう?>
矢張り坑道には居らず、無事に捕縛できたようだ。
私は安堵しながら椅子から転げ落ちた。
《神の目の所有者フランシスと協力をして他の場所を特定しました》
《もう兵を引かせて下さい。素早く撤退をお願いします。》
<そっか、ありがとう!>
《此方こそ有難うございます、谷崎さん。》
終わった…と腰を擦りながら立ち上がった。
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りおん(プロフ) - 地震ー!!!大丈夫でしょうか…!?寒いと思いますし、沢山困り事もあるかと思います…。でもささやかながら応援していますし、ボランティア頑張ります…!そして!!作品とても大好きです!!!人読み惚れしてここまで来ました…!応援しています…!! (1月5日 13時) (レス) @page13 id: b7dec916ad (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - 地震大丈夫でしたか!?後片付け等色々ありますよね……黎明さんのお話やイラストが見れないのは残念ですが、1から読み直したりして全裸待機してます!! (1月1日 23時) (レス) @page13 id: 250d9fc841 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黎明 | 作成日時:2023年12月22日 23時