三十七 二人 ページ36
『「だって、私達元ポートマフィアだし。」』
「は?!」
「国木田くん以外は全員知ってるよー?」
「は"!?」
"お母さんは何度呼びかけても帰ってこない。
自分の不甲斐なさに腸はたらわが煮えくり返りそうだ。
殺す事も_生かすことも出来なかった。
自分で判断が出来なかった。"
そんな事を考えながら私は秒刻みに動く針を見つめた。
数人が此方へ向かう音が聞こえ、其方に目線を移す。
「政府上層部は泡を吹くでしょうねぇ…」
なんか…緊張してお腹痛くなってきたぁ…
「斬られ、拐かされた者の提案だ____言葉の重みが違う。
故に組織の長として耳を傾けざるおえなかった。」
「お互い苦労が絶えませんねぇ。」
「同盟ならずとも、一時的な停戦を申し入れたい。」
三刻構想の内二人が向かい合い、正に一触即発状態。
「…シェリングを読まれた事は?
ナッシェン、キッシンジャーは?」
「いずれも戦略論の研究家ですね、昔誰かさんに教えこまれました。」
戦場上での同盟はでは"正義"が居ない
唯大義を守る為にお互い手を取り合い正義として相手を罰する、
結局勝ち残る為には敵を殺 した後同盟相手を殺 した方が勝ち
故にお互いが信じられない。
ポートマフィアは面子と恩讐の組織…部下には面目を潰された者も多い。
福沢さんは刀に手をかけ、「全ての過去を清算する」と云い刀を抜いた。
矢張り二大組織…全くもって勝てる気がしない。
砂嵐の様な状況に雪が一粒降ってきた。
その途端社長はバラバラと崩れ始め、やがて消えた。
結果は引き分け…と言うかほぼ痛み分けの様な物だ。
勝てる確率は互いにあると思っていない。
だが、勝たなければただ死 に行くだけだ。
「それとAちゃん、今でも私を恨んでいるかい?」
『はは、最初から恨んでなどいませんよ…両親が死 んだのは私の所為でもありますから。』
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月22日 14時