お隣の推し様の世話役になっていた件【紫】

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急に推しが来るとかなんなんですか。

「右隣の人今家いなくて……！女の子にこんなこと言うのは情けないんだけど」

私の肩を掴んで切羽詰まった様子で話す彼。

「アレが！！部屋に！！」

「……黒光りするアレですか？」

そう言うと「そうそれ！！」と言う。

私はそれを聞くと新聞を丸めた棒と殺虫スプレーを持って来た。

これでも実は田舎育ちでアレの対処には慣れてる。

「お邪魔します」

そう言って彼の部屋に入り黒光りするアイツを見つけて。

新聞紙で丸めた棒で一発叩いて動きを鈍らせてから殺虫スプレーをして。

トドメにパァン！と新聞紙で一発。

「片付けましたよ」

家の中にくたばってるアイツを処理してから私は出ていく。

推しの家とかマジで心臓持たないからこの冷静さも必死に保ってる。

「ありがとう……俺虫駄目でさぁ……」

存じ上げております。あとお酒にも弱いしゲームも弱いし。

「えっと……いつでも呼んでください、アレの対処」

この人今までアレ出てどうしてたのかな……？

「ありがとう……えっと姫河……さん」

「いえ……」

推しに苗字呼びされてもトキメく私。

私は自分の家に入り玄関を閉めるとズルズルと座り込む。

「……やっば……」

私これから先、心臓持つのかな……？

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