ダムの決壊 ページ21
一同は天端道路の隅に向かって走り出した。
元太「冬馬、早く！！。」
元太が冬馬の手を引っ張って走る。
逃げる咲凛達を追いかけるように爆発が立て続けに起こりその度にダムが大きく揺れた。
爆発の衝撃で歩美が倒れ光彦が振り返る。
光彦「歩美ちゃん！！。」
咲凛「止まらないで、走って！！。」
咲凛は歩美を抱き起こし先にいるコナンの元へ行かせる。
爆弾は正面壁以外に内部にも道路にも仕掛けられていた、爆発は一向におさまらない。
咲凛「(まずい、このまま爆発が続いたらダムが決壊する・・・！！。)」
そのそき、さらに大きな爆発が起こった。大きく揺れたと思うと咲凛の目の前でダムの天端道路が真っ二つに裂けて崩れた。
ダムの下から不気味な音が聞こえる。
咲凛「(この音、外壁が崩れ始めてる音・・・！！。)」
黒煙が巻き上がる中、崩れた柵に近付きダムから流れる川を見た。
咲凛「(何とかしないと！！、決壊は時間の問題。ダムの水が一気に流れた出たら間違いなく村は全滅する！！。)」
咲凛は川の周辺を見回す。
咲凛「(村を救う方法、何かないの！？。)」
するとリフトが見え廃スキー場のゲレンデが見えた。
咲凛「(スキー場！！。)」
そのとき、さらに爆発が起きダムのあちこちが崩れた。
天端道路の端に辿り着いたダム職員、子供達、灰原、コナン、天馬、信助、凛介、みずき、武藤は見晴らし台に続く石段の上へ駆け上った。
職員1「怪我はありませんか！？。」
職員2「皆さん、いらっしゃいますね！？。」
ダム職員が確認すると信助が叫んだ。
信助「咲凛がいない！！。」
天馬「女の子が一人いないんです！！。」
職員1「何だって！？。」
天馬達は柵に駆け寄り黒煙が巻き上がるダムを見つめた。
歩美「私を助けたあと、いなくなっちゃったみたい。」
凛介「咲凛姉・・・！！。」
灰原とコナンも険しい表情でダムを見つめる。
灰原「(一体何を・・・。)」
コナン「(咲凛・・・！！。)」
ダムの内部の通路に仕掛けられた爆弾がさらに爆発し正面壁から黒煙と炎が吹き上げ亀裂から大量の水が溢れ出した。
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