十話 ページ30
へ〜、知らんとこでそんなことしとったんや
「でもさ、トントン。幹部クラス言うても此奴、幹部補佐やろ？関わる機会ないんちゃうん？」
訓練受けてるとは言えど、幹部でも関り少ないと思うんやけど
「ゾム。模擬訓練をするとき何処から取ってくる？」
「えっと、訓練所に完備されてることが多いからそれをつこてるけど……」
問いの意図読めたわ
あれやろ？完備されてなかったら何処から取ってくるか聞きたいんちゃうん？
「シャオロン、一般棟は？」
「完備されてへんかったから、武器庫から取らせてるけど……。そん時にAと鉢合わせしたか担当者名と一緒にある写真を見て届けるようにしてるんちゃう？」
え？写真なんてあるん？
「写真ないと、鍵が閉まっとった時だれに預ければいいか分からへんやろ？」
なるほど……
「掃除の度に態々持っていく使用人の気持ち、少しは考えたりや？」
「はい……」
はは
シュールな光景やな
「んで、壊した部分の始末書の提出を明後日までに頼むな。後は……。あ、前言うたよな？次、壁や窓を壊したら給料と非番を減らして、また別に修理代を貰うって」
「げっ」
忘れてたんやな
「あれ？若しかして、今まで税金で直してたん？」
「せや。修繕費を予算に組み込んでたんやけど、幹部が壊したやつに態々税金使うんあれやなって思って次から自費で払ってもらおってなってん」
何で最初からせんかったん？
あ、そっか
侵入者とかが壊すってこともあるんか
属性で偽造することもできるし、自費で払うってなると負担も重くなるからか
そう考えるとそこは難しいな
「成程」
「で、話はまだ終わってへん。何時になったら前の報告書出すん？」
え？
この間、徹夜させて仕上げさせた書類は？
あ、通常業務の分か
「もう出来てるんやろな？もう期限から一週間経ってんねんけど。まさか、まだ出来てへんってことは無いやんな？」
圧が凄いな〜
……
俺が此処に居る理由もないし、言伝を此処に残すってことできるんかな
……流石に出来へんか
「トントン、終わったらこの三人に俺の部屋に行くよう言うといてくれる？」
「おん。分かったわ」
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