サイコパス２【DOG】

＊＊イメージ ページ45

春先輩は緩菜さんに指を刺しながら説得した







春 「Aちゃんは今人生最大のピンチに直面してんの！！緩ちゃんの能力で何とか助けてほしいの！！」





緩菜 「........」






A 「っ......」






春先輩の必死な声....初めて聴いた....





私の為に.....春先輩っ.....






緩菜 「”能力”と呼ぶのが正しいのか知らないけど......あれはたぶんそんな大層な物じゃない.......ただ.....あのころの俺には春の手を握った時だけ.....断片的なイメージが.....頭に浮かんでくることがあった.....それだけの事」






春 「断片的なイメージって.....何それ？要するにそれが未来予知ってことじゃないの？」






緩菜 「違う.....そんな具体的な内容じゃない。ただ.....つぶれた家とか....変質者の顔とか.....すごく嫌なイメージだったから.....必死で春を止めたんだろう......」






A 「じゃあ緩菜さんは.....それらの映像を見て今まで危険を回避したことになるんですか.....？」






緩菜 「そうなるね....」






春 「春以外の誰かに......その....”断片的なイメージ”が見えたことはあるの？」






緩菜 「ない.....だって春以外の人の手を握ったことなんて....一度もないから.....だからそんなことはすっかり忘れていた」






A 「.........」






私でも......見えるのかな....






春 「なーんか.....思っていた”能力”よりはだいぶスケールが落ちちゃったね.....でも、このブレスは本当に春を救ったわけだし、緩ちゃんに普通の人と違う感覚が備わっているのは間違いない！！Aちゃん、緩ちゃんに手を握ってもらいなよ！そして”イメージ”を見てもらうんだ！！」






A 「わっ....私が！？」






春 「もし”イメージ”が見えれば.....緩ちゃんも春たちの話を信じるだろうし、この先の危険を避けるヒントになるかもしれない！！」






A 「っ.......」






確かに.....このままじゃいけない.....






怖いけどっ.....一歩踏み出さないとっ.....







A 「あっ...あのっ...緩菜さん.....お願いしてもいいでしょうか.....」






緩菜 「あぁ.....したいならどうぞ」





緩菜さんは私に手を差し出した






A 「そっ....それじゃあっ......」






私は震える手で、緩菜さんの手を握った

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