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ホークスに続いて翼を広げると、イレイザーに声を掛けられた。
「とび……カイト、俺も連れてってくれ」
「呼びやすい方でいいですよ。じゃあ、また抱えますね」
そう言って、再びイレイザーを抱えて羽ばたく。
空を飛びながら、言葉を続ける。
「少し向こうに
「そうなりゃ、俺の出番だ」
「眼、大丈夫ですか？」
「問題ない。お前のおかげで少し休めてる」
「良かったです」
イレイザーにそう言葉を返すと、少し先に人影が複数見えてきた。
「見えました。速度上げます」
「ああ」
思い切り羽ばたき、
「俺は向こうにいる
「分かった」
少し先に見えるヴィランを指差してそう言うと、イレイザーが頷いてヴィランに駆けて行く。
それを見て、低空飛行のまま
ここも
「しゃーない、全力でいくか」
翼で
背後から気配を2つ感じ、拳が当たるより先に少し跳んで、2人の肩を爪で掴んで頭同士を打ち付けさせる。
すかさず横から泡の様なものが勢いよく飛んでくる。が、回避が間に合わず、近くの建物へと吹き飛ばされ、背中に衝撃が走る。
「ガハッ……」
同時に、肺から空気が抜けるのを感じた。すかさず立ち上がり、姿勢を低く構える。
「遠距離の個性か……」
そう言葉を零して、飛んでくる泡を避けながらヴィランへ距離を詰め、横腹に蹴りを入れる。
しかし、再び背後から気配が迫り、俺は建物へ吹き飛ばれ、背中を強く打ち付ける。
これじゃキリがない。動き回ってかく乱して、その間に少しずつ敵を減らすしかない。
翼を治めて姿勢を低くしながら地面を蹴り、動き回りながら爪で切り裂いていく。
地面を、建物を、ヴィランを、脚に触れたものを全て蹴り、次々と爪で切り、蹴りを入れる。
周囲にいたヴィランが地面に伏したところで、俺は膝に手をついて呼吸を整える。
すると、背中に衝撃が走り、吹き飛ばされる。
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作者名：玲央 | 作成日時：2021年10月7日 21時
