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happy ページ11
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「かずくん、元気？」
その人はゆっくりと瞬きをしながら口を開いた。
その声に確かな過去があるんだと
頭の中にこびり付いて離れない記憶は
断片的に脳内を廻った。
返事の代わりに数回軽くうなずいて手元のグラスを
そっと彼女の前に置いた。
"コトン"
その音がやけに耳に残り、鼓膜を伝った。
真っ赤な果実酒をそこに注ぎ込む
「ふふ、ありがと。」
そう言って手を伸ばしグラスを持つ腕に
隠し切れず見え隠れしている痕
出会ったあの頃を走馬灯のように思い出す
「ちょっと、この後話さない？」
沈黙を裂くようにその言葉は真っ直ぐに耳に入る。
「話ならここで…」
「お願い」
言葉を遮られ、澄んだ大きな瞳が俺をとらえる。
「はぁ…」
"幸せになるから"
あの日君の口から聞かされたセリフ
だらだらと関係を続けていた
俺たちにメスが入ったのは
何もできない俺のせいだった。
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pooh1221(プロフ) - 今、大学1回生のものです。中学３年の頃作者さん本人から占いつくーるの存在を教えてもらいました。今でもよく作者さんの小説を読ませていただいております。本当に文章表現が豊かで頭が上がりません。作者さんの更なるご活躍をお祈り申し上げます (2020年2月13日 16時) (
レス) id: 05dd12fe89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんぱん | 作成日時：2019年11月11日 21時
