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俺の一歩後ろを歩くAをちらちら見ながら
会社の廊下を通る
その度にすれ違う女性社員が、振り向いて何やらぐちぐち言ってる
…
特に会話もなく気まじぃ…
そのまま社員食堂まで行くと隣で小さなため息が聞こえた
さほど気にする事もなくスタスタと中に入っていく
食堂の中は空いていて、社員はテラス席とか店に食いに行く人が多い。
ここのランチうめぇんだけどな…
" あなた何でも食うじゃん、味音痴も大概だよ "
どっかで聞いた誰かの言葉が不意に頭によぎる
「A、なに食う？」
食堂のメニューを見ながらこれと指差すのは唐揚げ定食
けっこうがっつくな笑
「んじゃあ俺もこれにしよっかな」
食券を買っておばちゃんに渡すとなんかニヤニヤしながら交互に見られた。
何だよばあちゃんまで…
定食をもらって窓側の日当たりのいい席に向かい合わせに座るとAがやっと口を開いた
「なぁ〜んかさ、ちょっと嫉妬しちゃう」
「んへ？！」
Aの言った言葉に唐揚げを口に含みながら思考が止まる
「だって、皆んな智のことばっかみてたじゃん…」
あぁ…さっきの廊下ですれ違った女性社員達のことか
「って、何で俺だけ？」
俺の発した言葉にA頬がぷくって膨らむ
かわいい。
「知らないの？！前いた部署の女の子達の中で智すっごい人気なんだもん…」
「は？おれ？」
「そうだよ！逆に何で知らないの。」
ご飯を一気に掻きこむとそれを味噌汁で流し込んだ
「興味ねぇもん」
大体俺のいる部署男ばっかだし…
Aのいた部署とは少し離れていて滅多に通らない
から逆に何で俺のこと知ってんのかも謎だ
「いいよなぁ…お気楽で。」
少し間を置いてそんなことを言う
「その、訳分かんない女達と、Aの嫉妬ってなんか関係あんの？」
「そういうとこだよね、」
ぷくっと膨れながら男みたいに唐揚げと白米を口いっぱいに頬張る
「いくねぇ、笑」
負けじと俺も唐揚げを口に頬張る
うんめぇなこれ…
「女の子達の中で、かっこいい人がいるってけっこう前から噂になってたの。」
「ふぅ〜ん」
「狙ってる人いっぱいいたから…智に告白された時、正直戸惑った。」
そんな話、初めてきいたな。
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作者名：あんぱん | 作成日時：2019年9月27日 2時
