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手当してくれた潤の手をしばらくみていた
「ん？どした。」
それに気づいて眉をピクッと動かしこちらに向ける
「いや…手、長いなと思って。」
「あぁ、よく言われる。」
「褒めてるよ？」
消毒液をケースにしまいながら潤が鼻で笑った
「分かってるよ笑」
その手が伸びてきてそっと頬を撫でる
「なんかしてたの？ピアノとか。」
「いや、特にしてないかな…生まれつき。」
大きい瞳がゆっくりと瞬きをして優しく微笑んだ
「潤に撫でられるの、すっごい好き。」
「なんだそれ、犬みてぇ。」
「犬かぁ、犬種は？」
消毒液の入ったケースを退けて膝の上に頭を乗せた
「Aってちょっとくせ毛だよな、ダックスフンドとか。」
太ももの上でくるくると髪の毛を遊ばれて
潤の口からでた言葉に仰向けになる
「なにそれ、足が短いってことですか〜〜」
真上にはっきりとした顔がみえて、少し見惚れちゃう。
「ちげぇよ、何となく思いついたから。」
「ん、ならいいけれども。」
話している間もずっと頭を撫でてくれた
それがたまらなく好きで、安心できるの。
少し沈黙が続いて、2人の間に甘い空気が流れ込む
「潤の白衣きてる姿もすき。」
「あれ受けいいんだよな〜、白衣ってそんないいの？」
「ん〜、潤が着てるからいいの。」
その言葉に口角を上げて照れ臭そうに頭を掻いた
たまに見せる、その顔に毎回きゅんて胸が疼く。
「ふふ、照れてんの？」
「うるせ、ばーか。」
「でも、さk…」
言いかけたその文字をゴクッと飲み込んで視線を逸らすと、潤の指が私のシャツを掴む。
「これ、お前に似合ってんな。」
よかった…聞こえてない。
分からないようにそっと息を吐いた。
「こういうのも、かわいい。」
甘く低い声が心地よく耳に伝わる
「じゃあこの服兼用ね。」
「いっそのこと、おソロにしちゃう？」
「え、したい潤とペアルック。」
嬉しくなって起き上がり潤をみつめる
「テストでいい点取ったらな。」
ぷっくりとした唇から課題がでた。
「まつもとせんせいのいじわる」
幼稚園児みたいな口調でキッと睨んだのに
「その顔も可愛い。」
真面目な顔で言われて、言葉に詰まる。
「ねぇ、塾でもそれくらい優しくしてよ。」
「やだ。」
" 櫻井先生も白衣似合うよね " なんてこと、口にしたらまた課題増えるかな。
優しくて、かっこよくて、大好きな年上の彼氏。
end...
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作者名：あんぱん | 作成日時：2019年9月27日 2時
