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第肆話,鬼と人間と ページ7

「会った刻からずっと気になっていたんだ
僕だったから良かったと思うけど、他の隊員だったら即座にバレて、大変な事になってたし
二人共、此の世からおさらばしてたよ?」

顎に手を当てぺらぺらと述べられる
余りの速い説明に頭がついて来なかった
だけど、禰豆子の存在が他の人達に知られてしまったら俺も禰豆子も…
そう考えてしまう、禰豆子だけは失いたく無い
あの日からそう決意したのだ
……ふと思った

『…Aさんは俺が鬼を連れていると判っていた……だけど、何故他の人に伝えたりはしないんですか?』

疑問だった、会った刻から鬼を連れていると知っていたのに関わらず斬りかかったり他の隊員に伝えたりもしなかった

Aさんはうぅむ…と唸り顔を上げた

「…………炭治郎君が優しいからかな
僕は鬼殺隊として斬らなきゃいけないけど、鬼と人間は仲良くなれるとある人に云われたんだ
其れからずっ〜と仲良くなれるって僕は思っているんだよね」

両手を絡ませて、嬉々と語るAさん
素晴らしい人だ
そう思った

『そう、ですか…あの、理由が聞きたいって云ってましたけど……此れは本当の話なんです』

俺はぽつり、ぽつりと語り始めた
禰豆子の事、家族の事、そして富岡さんの出会いを全て噺した
Aさんなら、全て受け入れてくれると確信したから全て、今までに合った事を話した
俺が噺している間Aさんは真剣に聞いていた
時々相槌を打ちながら聞いていた

『ーーーー此れが全てです、禰豆子は鬼になってしまって……だけど、絶対に俺が戻して見せるんです!』

かちゃり

Aさんは珈琲碗を置いた
そしてーー

「……そんな事が起きていたのか」

悲しそうに微笑んだ
俺達に向けての慈悲だった

「君の妹も大変だったんだね
だけどね炭治郎君、君も大変だったね」

「家族を殺されて、妹は生きていたとしても鬼化してしまった」

「絶望しただろう、心が折れそうだっただろう
其れでも立ち上がり、妹を人間に戻して見せると云う決意、素晴らしいよ」

ぞわり

俺の中の何かが震えた
今迄どれ程、我慢して来ただろう
禰豆子が鬼になってしまってからずっと苦しかった
家族の事を未だに鮮明に覚えている
苦しい、助けたかった、そんな後悔が俺を蝕んでいった
だけど“彼”は受け入れてくれた
俺の出来事を全て受け止めてくれた

「炭治郎君、後悔は人を強くさせるんだ
前を向いて歩くんだ、家族の為にも」



心の奥にあった気持ちが溢れ出た

第伍話,悲観的であるが侭→←第参話,甘美屋



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シヴァ(プロフ) - リンゴさん» 有難う御座います!此れからも頑張って更新させて頂きます!! (2019年9月8日 10時) (レス) id: 180803cdab (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - 楽しみ楽しみ!!更新頑張ってね! (2019年9月8日 3時) (レス) id: fa8cdcdbb1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シヴァ | 作成日時:2019年8月27日 22時

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