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『伊沢さん!?大丈夫です、1人で行けます』
伊沢 「昼間とはいえ女の子を一人で帰らす訳にはいかんでしょ」
既に手に持っていた車の鍵を伊沢さんはくるくると人差し指で遊ばせる。
伊沢 「福良さんオフィスたのんだ」
そういって出ていく伊沢さんへ断る言葉が見つからず、追いかける。
歩くのがはやいのは伊沢さんの足が長いのか、身長差があるからなのかは分からないけど。
『伊沢さんっ、、本当に迷惑かけてごめんなさい、こんなつもりじゃ、、』
伊沢 「Aちゃん、可愛いこと自覚した方がいいよ??1人じゃ歩かせれない。」
この人はモテるんだろうなと思いながら顔が赤くなる自分が悔しい。
いっその事伝えてしまおうか。
『あの、私ずっとずっと伊沢さんのファンで、、、、』
伊沢 「知ってる。」
『え??今、なんて、、』
思わず立ち止まってしまった。
伊沢さんが私がファンだったことを知ってる??
状況が理解出来てない私に、スマートフォンの画面を見せてくる伊沢さん。
そこには私のTwitterアカウントと本人に見られるには少し恥ずかしいツイートで隙間なく埋められていた。
伊沢 「Aちゃん、いつもリプライありがとうね」
そうやって悪戯な笑みを作って名前を呼ぶ姿は何とも私が知っていた伊沢さんではなくて、さらに火照りを増す頬を無意識に両手が包んだ。
伊沢 「ずっと前から知ってたよ、俺を応援してくれてること」
静寂を打ち壊すように放たれた優しい声。
やっぱり私、この人の事好きだ。間違いない。、
『伝わってたんですか、、、』
何秒か考えた末、今口に出せる精一杯の言葉を口にし、どうぞと助手席のドアを開けてくれた伊沢さんに感謝を伝えて乗り込む。
車の中は、いつか包まれたいと思っていた匂いでいっぱいいっぱいだった。
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作者名:あおい | 作成日時:2020年5月28日 1時