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なれないタスクをこなしていると、直ぐにお昼になった。
雨は止む様子もなくて、、、
でもお昼ご飯を調達しに行かないといけない。どうしたものか。
『あの、私!散歩行ってきます!』
みんなは朝の時点でお昼ご飯を買ってから出勤しているから、なんだかお昼ご飯買ってきますって言うのが恥ずかしかった。
誤魔化すように笑顔でオフィスを出てきたけど、大雨で少し気が引ける。
傘を取ろうとした時に、ある事に気付いてしまった。
車で送って貰ったから傘持ってきてないや、、、
諦めてオフィスに戻ろう。お昼ご飯抜きだ。
ため息をついて来た道を戻ろうとした時
伊沢「まーたため息なんかついて。幸せ逃げちゃうよ〜」
後ろから伊沢さんの声がした。
『伊沢さん!?』
伊沢「俺も散歩いこうかなーって笑」
『そうだったんですね、私傘忘れちゃって!オフィス戻ります。』
いってらっしゃい!と伊沢さんに手を振ると、
伊沢「待って」
その手を掴まれた。
『え?』
意図せず触れられたことにドキドキしてしまう。
伊沢さんはこういうのが得意だ。無意識なのかな。
伊沢「一緒に行かね?」
伊沢さんは傘をひとつ取りだして外を見た。
大雨なのは変わらない。
『い、行きます。』
いわゆる、相合傘というやつで、私たちは歩いた。
外はバケツをひっくりかえしたように雨が降っていて、警報が出ていないのが不思議なくらいだった。
話していても、顔を近づけないと声があまり聞こえない。
ただでさえ距離が近いのに。
一歩歩く度に肩が当たって、離れようとすると雨に濡れる。
伊沢さんは何度も「離れないで」と呟いて傘をこちらに傾けてくれていたけど、どうやら私の心臓は限界みたいだ。
『あ、あの! お昼食べてなくて私、、、』
伊沢「あーそっか、どっか寄る?
あんま美味しい店とか分からんけど、そこに好きなラーメン屋あるんだよね。」
これはランチ?という事でいいのかな。にしてもラーメン屋、伊沢さんらしいかも。少し緊張がほぐれた気がした。
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作者名:あおい | 作成日時:2020年5月28日 1時