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8. ページ10

癒姫喰side

少し過去に戻ろっか

地元の遊園地だった
観覧車が大きいって有名でお客さんも多いような遊園地。
そこでお父さんとお母さんと手を繋いで幸せそうな笑顔で歩く女の子

女の子は「おとーさん!私、あれ乗りたい!!」

お父さんは「じゃあお父さんと一緒に乗ろっか?お母さんはどうする?」

お母さんは「もう私疲れちゃったよ(笑)下のベンチで座って待ってるから二人で行ってきて〜」

ありきたりな幸せな家族の会話……






それを黙って1人で見つめる私
私と同い年くらいの女の子は私を見てこう言う

「あの子、どーしてお父さんとお母さんが居ないの?」

その言葉を聞いたお父さんが私の方を見ると血相を変えて私に頭を下げ、「癒姫喰さんのとこのお嬢様ではないですか!大変なご無礼を…申し訳ありません!」

そう言って女の子を抱っこしてお母さんと乗り物の方へ行ってしまった

どうとも思わなくなる

こうやって一人でいるのが私の日常だったから

私の我儘で遊園地へ行きたいと行ったのが間違いだった

結局一緒に来るのはSPだけ、お母様もお父様も来るはずが無い

一人っ子だから妹や姉も居ない

今だって遊園地の中で唯一三ツ星を取っているレストランで食事の筈なのに全く美味しくない

「お嬢様!!何度言ったらわかるのですか?!ナイフはそんな手前を持つものではありません!食べ方も宜しくない!!」

怒られながら食べるご飯。それを見て哀れだと思っている周りの人々

私だって皆みたいにポップコーンを歩きながら食べたりしたい。肉まんだって、骨付きチキンだって

【家族と歩きながらご飯を食べて普通の会話がしたい】

孤独に耐えられなくて

周りからの期待の目に耐えられなくて

完璧でいる事に疲れちゃって

毎日母親に暴言を吐かれるのが怖くて

それを見て見ぬふりをする父親が憎くて

5歳の冬、私は笑顔を捨てる事を決めた

昔、ある男の子に言われたことがあった


「Aの笑顔は世界一可愛いよ?絶対その笑顔、忘れないでね」

ごめんね、忘れないと私は生きていけないの

その子に対する謝罪の気持ちが高まって涙が溢れてしまう

嗚呼私にまだ感情があったんだ


そう思う度に苦しくて


早く感情を殺さなきゃ


それしか考えられないなんて



私はロボット同然なんだ


そこで私の目は覚める

目には涙が零れていてシーツも濡れている


この夢を何度見たか

昨日また新しく心に決めた



私は悪女を演じるんだ

9.→←カタクリ/リアリナ



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はなこ - きも (2022年10月20日 11時) (レス) @page1 id: 6b69261900 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:有岡に食べられたいおむらいす担 | 作成日時:2020年1月22日 19時

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