誤解が解けた義眼の女子大生が東都水族館に行く話。【純黒の悪夢】

侮れない人　コナンside ページ10

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　「ど、どういうこと？ ぼく子供だから分かんないや」






　そう言って、作り笑顔で誤魔化す。





　俺の目の前には、不審そうな顔をする結衣さん。





　ラムじゃないのは分かっているが、この人はどうも侮れない。






　俺の返事を聞くと、結衣さんはしゃがみこんで俺と目線を合わせた。






　「！？」





　「ねえ、コナンくん……私、言ったよね？





　作り笑顔する人は嫌いなの。




　見抜けちゃうんだよね、そういうの」





　ピシリと、表情が固まった。






　「今思えば、君があの場にいたことも不思議だったんだよね。





　幾ら頭が切れるっていっても、私が本当に悪い人だったら、人質にとったかもしれないのに」





　「…………」






　何も言えない俺を他所に、彼女は話し続ける。






　「それに、私は沖矢さんに私が義眼だってことを言っていない。





　なのに彼はそのことを知ってた。





　安室さんがわざわざ、嫌っている沖矢さんに話すとは考えにくい。」






　彼女は、一度言葉を切ると。






　「誰か、いるんだよ。





　二人を繋ぐパイプラインが」






　全身が急速冷凍された気分だった。





　いくら事情を知っているとはいえ、ボロを出しすぎた。





　マズい、どうやって切り抜けるか…………。





　頬に、冷や汗が伝いそうになったその時。











　「…………良いよ、無理に話さなくて」




　「……ぇ？」





　ゆっくりと姿勢を戻した彼女の顔は、哀しげに笑っていた。






　「ごめんね。





　誰にでも話したくないことがあるなんて、私が一番よく知ってるくせに。





　でもさ」





　緩みかけた俺の顔がキュッと締まる。







　「───────いつかで良い。





　本当に、私に対して、心を許せたら。




　その時は、話して？」





　「…………」




　「行こっか！」





　彼女の言葉を合図に、俺は何ともいえない気持ちを抱えたまま、歩き出した。









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