誤解が解けた義眼の女子大生が東都水族館に行く話。【純黒の悪夢】

NOCリスト ページ4

─







　「バカじゃん私……」





　ついこの前、なにもかも分かったような気がしていたのは何だった。





　私が頭を抱えていると、ジョディさんが口を開いた。






　「その説ではシュウ、あ、赤井捜査官が迷惑をかけたみたいね。本当に申し訳ないわ」





　「いえ、もう大丈夫です。




　……もしかして私が間違われてた『ラム』っていうのはその組織の？」






　そう言えば光さんもコードネームはスコッチというお酒だった。






　「『ラム』は組織のNO．2と言われる人物だ。





　そしてその外見には一つ決定的な特徴があってね。





　それが、義眼だったんだ。」




　「………」





　しばらく口が開きっぱなしになっていた。





　まさか、そんな理由で疑われてただなんて。






　「そしてある事件で、ラムが女性ということも明らかになったの」





　そりゃ私が疑われるのも無理はないかもしれない。





　安室さんや赤井さんは、職業柄疑う癖がついてしまっているんだろう。






　………あれ？





　今、なんかひっかかったような………。





　考えかけて、ジョディさんの声が重なる。






　「本題に入るわね。昨夜警察庁から盗まれたのは、各国のスパイの名前が載ったリスト。





　要するに、NOCリストよ」





　NOC、リスト………！？





　じゃあまさか、沙羅ちゃんの名前もそれに……！






　「だったら、沙羅ちゃんや安室さんや、NOCリストに載ってる他の人も保護しないと……！」





　「それは遅かったんだ。沙羅くんに今日来てもらった半分の訳は、このことを伝える為でもあった」





　「おまけに厄介なのは、奴らの手にどれだけのデータが渡っているか把握できていないこと。





　下手に接触すれば、そこから怪しまれかねないから」






　沙羅ちゃんが、殺されてしまう……？





　そんな、誰かも分からない犯罪組織に……？





　沙羅ちゃんは、護りたい人を護るために、NOCになったのに………！






　私の口は勝手に動いていた。






　「手伝います！ 手伝わせて下さい！！」






　私も護りたい。沙羅ちゃんを。





　沙羅ちゃんが私を護っていてくれたように。









.

友達と夢主→←FBI支部

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す